小児科2016

小児科 2016① 65%

 

1歳女児の平均身長は73.4cmである。標準偏差は2.5cmなので68.4cm(-2SD)
以下が異常である。

 

リンパ浮腫では間質液成分が流動性に乏しいため圧痕を残さない。

 

パラシュート反射、Landau反射:中脳・視床レベルの姿勢反射

 

トキソプラズマ…胎内感染

風疹ウイルス…胎内感染

CMV…胎内感染、母乳感染、産道感染

B型肝炎ウイルス…胎内感染、産道感染

HTLV-1…母乳感染

 

チアノーゼ性心疾患でもっとも頻度が高い疾患はファロー四徴である。
BASが必要な疾患は大血管転位である。

三尖弁閉鎖はFontan手術を行う代表的疾患である。

 

骨年齢は一般的に左手の手根骨レントゲンにて評価する。

小児の成長に必要なホルモンは成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンの3つである。
成長のスパート開始は男児では思春期開始後より、女児では思春期開始前より認められる。
男児、女児ともに成長のスパートやその後の骨成熟にはエストラジオール(E2)が大きく関与している。
女児において10歳6か月以前に初経が認められた場合は異常であり、思春期早発症を疑うが、それ以降の場合は正常である。

 

ダウン症候群:転座型では両親の染色体検査の適応になる。

 

Triplet repeat病

ハンチントン病、Kennedy-Alter-Sung病(球脊髄性筋委縮症)、脊髄小脳変性症のうちSCA(Machado-Joseph病などを含む)、筋強直性ジストロフィー、脆弱X症候群、Friedreich運動失調症 など

 

プリックテストに関する基本問題。
アレルギー疾患の診療においてアレルゲン検査の意義は高く、中でもプリックテストは施行も容易で安価なため広く用いられる。抗ヒスタミン薬は、体内半減時間が長く皮膚移行性の高い薬剤が主流となりつつあり、少なくとも24時間以上中止する必要がある。皮膚テストといえどもアナフィラキシーを惹起する場合があり採血以上に安全とはいえない。プリックテストは即時型アレルギーの診断に有用な検査であり、検査施行の15分後に紅斑や膨疹の大きさ(長径など)で判定する。

 

EBNAは潜伏感染したときに発現する蛋白です。EBNA抗体は初感染の回復期から陽性になり持続的に検出されます

EBウイルスの潜伏期は4〜6週間

 

結節性硬化症では横紋筋腫を認めることがあるので、心エコーは必須

 

先天性水腎症

男児の左側に好発

先天性水腎症の原因としては、狭窄症もしくは膀胱尿管逆流症などがあげられる。

MAG3シンチは腎動態シンチである。尿路系の閉塞の程度を評価するのに有用である。本症例はSFU分類Ⅲ度であり、狭窄症であった場合手術適応なることなることも多いため、狭窄の程度を評価することが重要である。

 

ナフィラキシーに対する治療として、可及的速やかに酸素投与、アドレナリン筋注を行う。その他、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、ステロイドが用いられる。急性期を過ぎたら診断を確定(皮膚プリック・スクラッチテストあるいは末梢血中抗原特異IgEの同定)し、適正な食事指導を行いフォローする。診断確定は負荷テストによるが、経過と検査値により診断されることも少なくない(つまり負荷テストは必須じゃない)。

 

ランゲルハンス組織球症

頭が凹んだり出っ張ったりして気付かれることが多い

主に小児に生じ、10歳以下に多い

頭部X線でぽこっと穴が開いたように映る

Birbeck顆粒+

 

わが国における先天性甲状腺機能低下症の発見頻度は出生3,000~4,000人に1人である。原因としては甲状腺の形成異常、中でも異所性甲状腺が最も多い。

甲状腺の位置異常や無・低形成を鑑別するために頸部超音波検査は必要である。

大腿骨遠位端骨核が無形成

 

十二指腸閉鎖症

注腸検査ではmicro colonが認められる他、他の部位の閉鎖の有無が確認できるので、必須の検査である。

 

胆道閉鎖症では直接ビリルビンが上昇し、肝炎との鑑別が困難である。手術は90日以内できれば60日以内に行わないと予後が悪いといわれている。悪性腫瘍は胆道拡張症での合併で注意する点である。

 

多量の下血をきたす疾患としてメッケル憩室がある。本疾患の診断にはアイソトープ検査99mTc-pertechnetate で、hot spot(異所性胃粘膜の迷入)を認める。病変部位は小腸なので、内視鏡による止血術は困難である。出血が激しいときには緊急手術も考えるが、バイタルサインが落ち着いていれば、待機的に手術を行う。手術は腹腔鏡下、または開腹により病変部を切除する。

 

小児科 2016② 64%

Beckwith-Wiedemann症候群…常染色体優性遺伝性の過成長症候群で、7~10歳頃まで過剰成長を示すが、成人身長は正常範囲内である。

 

小児では肉腫や胎児性腫瘍が多く、癌腫は少ない。

小児ガンは小児の病死原因の1位である。日本の新規発症は年間2000~2500人程度である。

 

先天性副腎皮質過形成症(CAH)の90%を占める21-水酸化酵素欠損症に関する問題である。

常染色体劣性遺伝疾患である。

臨床的に塩喪失型、単純男性型、遅発型の3つの病型がみられる。

21-水酸化酵素が欠損するため、血清17a-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)は高値を示す。新生児マススクリーニングでは濾紙血の17-OHPを測定している。

プレグナントリオールは17-OHPの尿中代謝産物であり、高値を示す。

本症はCYP21A2遺伝子の異常によって発症する。

 

心室中隔欠損

膜様部欠損は自然閉鎖することが多く、心不全を呈さなければ経過観察し、自然閉鎖するか、観察する。大動脈弁下部欠損は自然閉鎖が少なく、さらに大動脈弁閉鎖不全を発症した場合には、急速に心不全が増悪する。欠損孔が小さくとも手術となる。

 

gEに関する基本問題である。

IgEは1966年、石坂公成博士らにより同定された免疫グロブリンであり分子量は188 kDaである。健常人における血清中IgE濃度はng/mlのオーダーであり、胎盤は通過せず、補体結合能を有さない。IL-4およびIL-13の作用で活性化したB細胞が形質細胞化し、IgEを産生する。マスト細胞に結合したIgEに抗原が結合すると架橋してマスト細部が活性化し脱顆粒が生ずる。

 

慢性肉芽種は、高率に肺アスペルギルスによる感染を合併する

 

排尿時膀胱尿道造影は膀胱過敏性が消失して尿の無菌性が回復した時期に行われる。

 

 常染色体優性多発性嚢胞腎において、PKD1変異の方がPKD2変異に比べて発症が早い。

 

前弯負荷試験は、体位性蛋白尿の診断のための検査である

 

ガラクトース血症の原因として最も多いのは門脈題体循環シャントである。 門脈体循環シャントでのガラクトース血症の発症機序は、腸管から吸収されたガラクトースが、肝臓での代謝を経由せず、門脈血流から直接体循環に流入することによる。

 

毛細血管拡張性失調症 常劣

DNA修復に関係するATM遺伝子に異常を認める

小脳性運動失調、毛細血管拡張症

本疾患は悪性腫瘍の合併頻度が高く、CTなどの放射線被曝を伴う検査の実施には注意を要する。

AFPは増加する。

細胞性免疫↓、液性免疫(特にIgA↓)

 

軽症血友病で凝固因子製剤の補充歴がない場合でも、抜歯の前には凝固因子の補充が必要である。その際に、止血剤内服を薦めるのもよい。

 

新規発症食物アレルギーに関する問題。

アナフィラキシーショックに進行することを考慮し、仰臥位で下肢を挙上させる。

 

皮疹は赤色で平坦、孤立性で膿胞の形成もなく、臍周囲の発赤もない。いわゆる新生児中毒性紅斑(中毒疹)であり、生理的な現象のため経過観察のみでよい。

 

細菌性髄膜炎の場合、薬剤感受性が判明するまではその菌の耐性菌を考慮して薬剤を選択する。ペニシリン耐性の割合が高いため、第三セフェム薬+カルバペネムにて治療を開始する。 

肺炎球菌性髄膜炎の30%に難聴が起こるとされている。

侵襲性肺炎球菌感染症は2013年4月より5類全数把握疾患となり、7日以内に保健所に届け出が必要。

 

Hirschsprung病

pull through・Soave・Swenson・Duhamel法が根治手術の術式である。人工肛門造設をせずに一期的にpull throughを行なうことが最近では多い。

 

Sistrunk法は甲状舌管嚢胞の術式である。

 

超音波検査でpsudokidneyは腸重積症であり、粘血便も腸重積症でみられる。

 

先天性横隔膜ヘルニアの頻度は4,000人に1人程度であり、胎児診断されることがよくある。左側に多く、胸腔内へ腸管が脱出して、肺を圧排するため、肺の低形成があり、生命予後を左右する。合併奇形が多い。腹部の外観は、腸管が腹腔内にないため、胸腔よりも陥没している。

 

micro colonの所見である。これは小腸閉鎖症に特有の所見である。