産婦人科2015

産婦人科 2015① 77%

内腸骨動脈は側臍靱帯となる。

 

 血中hCGが1000-2000IU/lとなれば子宮内に胎嚢が確認できる。一般的に尿中hCGが25-50IU/lになれば妊娠反応が陽性となる。

 

子宮収縮抑制薬

塩酸リトドリン:β刺激薬

硫酸マグネシウム:カルシウム拮抗薬

 

本邦では、35歳以上の初産を高齢初産と定義しており、厳密には高齢妊娠という定義は存在しない。

本邦では年齢にかかわらず、出生前遺伝学的検査を積極的にすすめてはならない。

 

帝王切開術では隣接臓器である膀胱の損傷に注意を要する。
Erb麻痺は骨盤位牽出術や肩甲難産で、子宮穿孔は子宮内容除去術や人工妊娠中絶で起こりうる合併症である。

 

ヒトパピローマウイルス (HPV) が子宮頸部に持続感染すると、HPVの初期遺伝子であるE6はp53と結合、 E7はRbと結合し、それぞれの癌抑制遺伝子産物を不活性化する。
その結果、細胞周期やアポトーシス機構などが破綻し、遺伝子に変異を持つ細胞が無秩序に増殖して癌化へと誘導される。

 

一般不妊治療…タイミング指導、人工授精 など

高度生殖補助医療…体外受精胚移植、顕微授精 など

 

ホルモン補充療法の禁忌

・重度の活動性肝疾患

乳がんまたはその既往

・現在罹患している子宮体癌

・原因不明の不正性器出血

・妊娠が疑われる場合

・急性血栓性静脈炎または静脈血栓塞栓症とその既往

・冠動脈疾患、脳卒中の既往

 

子宮体癌の既往、子宮筋腫、コントロール不良な高血圧・糖尿病、肥満は慎重投与ないしは条件付きで投与が可能な症例です。

 

 

子宮体癌の診断

子宮鏡にて子宮内膜厚の測定はできない。筋層浸潤や頸部浸潤の評価は骨盤MRIが有用である。

 

麦角アルカロイドは子宮収縮剤であるが、児娩出後に弛緩出血の治療に用い、妊娠中は禁忌である。(収縮作用が強すぎるため)。分娩誘発にはオキシトシンを用いる。

 

子宮動脈塞栓術は、子宮破裂には用いることができない。

 

 胎児の肺胞は、特に肺の形成の未熟な妊娠24週以前に羊水過少となると肺の低形成をきたしやすい。

胎児尿が羊水の中心の成分となってくるのは、妊娠20週以降である。それまでは、胎芽・卵膜の滲出液が中心成分である。

羊水の形成は85%が胎児の尿であり、15%は肺の浸出液である。吸収は大部分嚥下によるものである。

 

頸管無力症

一般的には入院管理として、頚管縫縮術を行う。場合により子宮収縮抑制剤の投与とすることが多い。
出血や子宮収縮などを認めれば切迫流産と診断する

 

SCCは子宮頚部扁平上皮癌、LDHは未分化胚細胞腫、hCGは絨毛性疾患、AFPは胎児性癌、卵黄嚢腫瘍、胎芽性癌、未熟奇形腫などで高値を呈する。

 

加重型妊娠高血圧症候群:妊娠20週より以前から高血圧 and/or 蛋白尿が存在していて、妊娠20週から分娩後12週の間に「両方出現」もしくは「もとから両方あった高血圧と蛋白尿が増悪」したもの。

 

帝王切開瘢痕部の癒着胎盤が考えられるときは、血尿は穿通胎盤の可能性があるため、膀胱鏡は行う検査の1つである

 

 前置胎盤では婦人科的内診で出血を誘発するので内子宮口までの内診は行わない。

前置胎盤ではコントラクションストレステストは禁忌

 

産婦人科 2015② 80%

妊娠中の脳動脈瘤破裂は妊娠後期に多い

 

特発性血小板減少性紫斑病合併妊娠

第一選択は副腎皮質ステロイドだが、手術や分娩前にはIVIG

 

SRY遺伝子は精巣決定因子であり、Y染色体短腕35Kbに存在する。

胎児精巣は胎生7週ごろSRYの存在により、性腺原基から誘導される。

 

SF-1は性腺原基に作用する遺伝子で、欠失すると卵巣、精巣だけでなく副腎や下垂体ゴナドトロピンの欠損をおこす。

 

20週で前置胎盤でも、胎盤の位置が変わり常位になることも多い。

前置胎盤の約5%に癒着胎盤を認める。

 

内子宮口を覆う胎盤の辺縁から子宮口までの距離が2cm以上を全前置胎盤、2cm未満を部分前置胎盤、ほぼ0の状態を辺縁前置胎盤とよぶ。

 

子宮頸がん治療

単純子宮全摘…上皮内癌と1a1のみ

後半子宮全摘…1a2、1b、Ⅱa、Ⅱb

 

HPV16型, 18型, 31型, 33型, 35型, 45型, 51型, 52型, 56型, 58型は高リスク型HPVとされている。

 

子宮頸部腺癌…子宮頸がん全体の15%をしめる。

 子宮頚部腺癌ではHPV18型が多く検出される。

 

子宮脱に対する保存療法としてはペッサリ-療法があるが、長期間の挿入例では膣粘膜の潰瘍形成、肉芽形成に注意が必要である。IUDは子宮内避妊器具。

 

妊娠すると循環血流量は増えるが、血管が拡張するので血圧は下がる。

 

妊娠により非妊時に対し子宮の血流量はおよそ100倍になる。

 

ハイリスク型HPVに感染しても、ほとんどの場合2-3年で消失し、感染が持続することは稀である。

子宮頸癌の進行期にリンパ節転移の有無は関係しない。

 

フーナー検査は頸管粘液と精子の適合を調べる検査である。両側の卵管閉塞がある本症例では卵管を使用した妊娠方法であるタイミング療法や人工授精は適応とならないため、精子と頸管粘液の適合の如何にかかわらず体外受精が必要となる。