産婦人科2016

産婦人科 2016① 64%

 

尿管は子宮動脈と交差する。

 

妊娠糖尿病と産科DICは直接関連がない。

 

臍帯脱出は骨盤位牽出術で起こりうる合併症である。 子宮穿孔は子宮内容除去術や人工妊娠中絶の際に注意を要する合併症である。 帝王切開術では隣接臓器である膀胱の損傷に注意を要する。

 

Lynch syndromeはミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患であり、子宮内膜癌と大腸癌の生涯発症リスクは40-60%、卵巣癌は12%である。その他として家族性乳癌・卵巣癌症候群はBRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の生殖細胞系列の病的な変異が原因で乳癌や卵巣癌を高いリスクで発症する遺伝性腫瘍である。

 

羊水穿刺に伴う流・早産の率はおよそ0.3%と報告されている。

 

診断的羊水穿刺

妊娠前半(妊娠15~17週)…胎児の染色体異常や先天性代謝異常の診断

妊娠後半(妊娠22週以降)…子宮内感染や胎児の肺成熟度、胎児well-beingの評価

 

オキシトシン、メチルエルゴメトリンは子宮収縮剤

 

細菌性腟症は、自然早産の原因 円錐切除後妊娠は、自然早産の原因 日本の法律上、胎児異常で人工流産・人工早産を行ってはならない。しかし、他の理由をつけて、人工流産は行われているのが現状である。

 

先体反応により透明帯反応が起こり、精子が透明帯を通過できるようになる。よって先体反応が先である。

着床は発生6­~7日頃から始まり、発生12日頃に完了する。

 

子宮頸がん治療

・CIN3、ⅠA期:円錐切除術または単純子宮全摘術

・ⅠB、Ⅱ期:広汎子宮全摘術、同時化学放射線療法

・Ⅲ期、Ⅳ期:放射線療法、化学療法、同時化学放射線療法

※年齢・合併症などにより手術困難なⅠ、Ⅱ期の症例にも放射線療法がおこなわれることがある。

子宮筋腫核出術による子宮瘢痕破裂である。過強陣痛、母体脈拍数・呼吸数上昇、バンドル収縮輪の上昇などの子宮破裂徴候を認め、子宮破裂後に出血性ショックを呈している。

子宮破裂に対する止血目的として子宮動脈塞栓術は適切ではない。

 

バンドル収縮輪…子宮破裂が生じる直前にみられる特徴的所見

 

出生前染色体検査には、母体血清マーカーのような非確定的検査と、羊水検査のような確定的検査がある。

 

明細胞腺癌、漿液性腺癌、類内膜腺癌の治療

  1. 手術療法
  2. 述語化学療法:TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)

 

粘液性腺癌は、化学療法の奏効率が極めて低い

 

 

妊娠高血圧症候群

軽症:140~160/90~110mmHg

重症:160↑/- または -/110↑。重症の場合は降圧薬投与を開始する

 

卵巣過剰刺激症候群

治療:輸液、アルブミン投与、低容量ドパミン持続投与(ARF予防としての腎血流確保)

 

子宮体癌・子宮内膜増殖症…子宮内膜が肥厚する。MRI所見で子宮腺筋症との鑑別可能。

 

ショックバイタルを示す症例において末梢静脈を確保する際には、出来るだけ径の太い針を用いて静脈路を確保する。

 

産婦人科 2016② 70%

ヒトパピローマウイルス (HPV) が子宮頸部に持続感染するとHPVの初期遺伝子であるE6はp53と結合、E7はRbと結合し、それぞれの癌抑制遺伝子産物を不活性化する。 その結果、細胞周期やアポトーシス機構などが破綻し、遺伝子に変異を持つ細胞が無秩序に増殖して癌化へと誘導される。HPV 6型は尖圭コンジローマとなる低リスク型のウイルスである。

 

早産既往は自然早産の最も大きなリスク因子である。また双胎も多くが自然早産となる。

 

流産

約15%に自然流産が起こる

自然流産の約50-70%は染色体異常が原因である。

習慣流産カップルのどちらかが染色体異常をもつのは数%である。

 

全胞状奇胎…核のない卵子精子が1匹(この場合は二倍体化)または2匹受精して発生

部分胞状奇胎…健常卵子に2つの精子が受精して発生→トリソミー

 

絨毛癌の治療:多剤併用化学療法 初回はEMA-CO療法

 

尿管は腹腔外(後腹膜腔内)を走行する

 

PCOSの糖尿病合併例などではメトホルミンを併用する

早剥…DIC合併するためフィブリノゲン低下する

 

HELLP症候群、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全は妊娠高血圧症候群に合併しやすい病態である。子宮頸管無力症や絨毛膜羊膜炎は合併しやすいとはいえない。

 

HPVはパポバウイルス科のDNAウイルスである

 

BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)…悪性胚細胞腫瘍に対する治療

シスプラチン…子宮頸癌に対し、放射線療法と同時に用いられる。(Ⅲ、Ⅳ期)

 

子宮内膜増殖症治療

経過観察(80%は自然退縮する)→経過観察にて病変が消退しない場合は、MPA(塩酸メトロキシプロゲステロン)を周期的に投与

 

子宮内膜異型増殖症治療

単純子宮全摘+両側付属器切除

挙児希望がある場合は、内膜全面掻爬+高容量MPA

 

前置胎盤

前2回帝王切開でかつ、前壁付着の前置胎盤の場合、膀胱への穿通胎盤の可能性もあるため、膀胱鏡検査も考慮される。

 

血清CA125 値は、婦人科疾患においては漿液性腺癌を始めとした上皮性卵巣癌や子宮内膜症で上昇をきたす場合がある。

 

 

塩酸リトドリンの副作用:横紋筋融解症

 

ショック状態にある患者を初期蘇生行わずしてCT室に連れて行ってはならない。CTは「死のトンネル」である

 

出血性ショックをきたす子宮筋腫の治療

月経が保たれており、挙児希望が無いことから一般的には卵巣は摘出せず、単純子宮全摘術を選択すべきであると考えられる。卵管は、卵巣癌の発生母地となりうることが知られているので切除術を追加する。