循環器

2016① 62%

房室伝導を促進する薬剤…エピネフリン、硫酸アトロピン、イソプロテレノール

 

心房細動の進行度によってはカテーテルアブレーションによる根治も可能となってきている。

 

アセチルコリンを冠動脈に投与すると

正常な冠動脈は拡張し、

病変部だけが選択的に攣縮(スパズム)するぞ!

 

アセチルコリンの効果は

非常に短時間で回復が早いのが特徴だ。

 

冠血流予備能の検査でアデノシンを付加するのは何故か

 

アデノシンは血管平滑筋を弛緩させることにより、細動脈の拡張を拡張させる働きがある。アデノシンを投与することにより3倍以上の冠血流量の増加が期待される。

冠動脈に狭窄があると、狭窄部位より末梢の血管では何とか血流を保とうと常に最大限の拡張をして血流低下を防いでいる。よって狭窄している冠動脈にアデノシンを付加しても血管の拡張はみられない。一方で、狭窄していない正常な方では血管が拡張して血流も増大する。アデノシン負荷心筋血流SPECTでは健常部と狭窄部の血流差を可視化することで冠動脈狭窄を非侵襲的に診断することができる。

 

心房粗動のレートコントロールにはβ遮断薬またはCa拮抗薬を使用する。
WPW症候群の頻拍に対してベラパミルの使用は禁忌である。

↑理由:WPW症候群の患者が心房細動を起こすと、心室頻拍や心室細動を起こして突然死してしまうリスクがある。健常人では心房の心拍数が過剰に早くなったとしても、房室結節では房室ブロックがおこり、心室にその過剰な心拍が伝わらないように調節してくれている。

ところが、WPW症候群では前述の通り、kent束経由の伝導が過剰な心房興奮をそのまま心室に伝えてしまい、致死的な心室細動を引き起こしてしまう。房室結節伝導とkent束の両方の経路から心室に興奮が伝わればまだよいが、ジゴキシンやベラパミルを投与すると、房室伝導のみを抑制して、多くの心室興奮がkent束に依存するという状態になってしまう。

 

また、褐色細胞腫は、副腎髄質以外にも後腹膜腔の交感神経節(クローム親和性細胞)などにも発生しうる。

 

心カテ検査:dip and plateauは、収縮性心膜炎に特徴的な右室圧曲線である。

 

心房中隔欠損症は、左右短絡疾患であるがIEを併発することは少ない。血液培養はIEの診断に必須であるが、静脈動脈血での検出率には差はないとされている。弁膜症の重症度とIEの発生頻度には関連性は認められない。

 

VSDに対する酸素投与は肺血管抵抗を低下させることにより左右短絡量を増悪させるので禁忌である。

 

eBakey分類、Stanford分類は大動脈解離の分類である。また、Crawford分類は胸腹部大動脈瘤の拡がりの分類である。Rutherford分類およびFontaine分類は閉塞性動脈硬化症の分類である。

 

抗凝固療法は深部静脈血栓症(DVT)などで行うが下肢静脈瘤に対しては行わない。

 

循環器

2016② 74%

薬剤コーティングバルーンはステント内再狭窄病変が治療対象となる。

冠動脈ステント留置後には2剤の抗血小板療法を行う。

 

心拍数×収縮期血圧はdouble productと呼ばれ、心筋酸素消費量の指標となる。

 

ACE阻害薬及びアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、頻脈、狭心症を除きほぼ全ての病態で積極的適応となる。

サイアザイド系利尿薬は、心不全、腎不全、脳血管障害慢性期、高齢者で積極的適応となる。

 

収縮性心膜炎

dip and plateauパターン

・Kussmaul徴候(吸気時に増強する著名な頸静脈怒張)

・心膜ノック音(拡張早期過剰心音)

・心膜石灰化

 

急性心膜炎

・深吸気時に増悪する特有な前胸部痛

・心膜摩擦音

 

洞機能不全症候群の症状には、洞停止によるめまい感(前失神感)・失神、洞性徐脈による全身倦怠感・労作時息切れなどがある。

洞機能不全による前失神感と起立性低血圧は、注意深い病歴聴取で容易に鑑別可能である。

 

Austin-Flint雑音…ARで生じる、機能的MSによる雑音。

Graham-Steel雑音…MSで生じる、機能的PRによる雑音。

Carey-Coombs雑音…VSD, PDA, MRで生じる、機能的MSによる雑音。

 

Riveiro Carvallo徴候…TRにおいて、吸気時に収縮期逆流性雑音が増強する徴候。

 

血栓治療は血栓形成率の高い患者(CHADS2スコア2点以上)で必須であり、全員で必要な訳ではない。

 

AFがVFに移行することはほとんどない。

 

閉塞性肥大型心筋症では、僧帽弁前尖の収縮期前方運動(systolic anterior motion:SAM)を認め、流出路狭窄により頸動脈脈波は二峰性となる。

 

腎血管性高血圧は、動脈硬化の進行とともに高齢者での発症が増加しており、腎機能低下から透析治療を導入する症例も増えてきている。

 

感染性心内膜炎は、弁逆流の高速ジェットが弁や心腔内面に当たり組織が傷害を受けて、フィブリン等が沈着する。さらに、抜歯等による一過性菌血症によって、菌が着床・増殖して疣贅(vegetation)が形成される。そのため、弁膜症と先天性心疾患など基礎疾患がある場合に発症しやすい

自己弁心内膜炎の起炎菌は緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、人工弁心内膜炎の起炎菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が多い

 

オスラー(Osler)結節は指趾掌側の有痛性皮下結節である。指趾掌側の無痛性小赤色斑はJaneway発疹である。

 

機関車様雑音(locomotive murmur)の聴取は、心外膜炎に特徴的な所見である。

 

AR: 心エコーにて、僧帽弁のflutteringがみられる

 

IABPを控えるのは大動脈弁閉鎖不全症を認める場合である。

 

左室瘤は循環動態は落ち着いていることがほとんどで緊急手術の適応とならない。

不安定狭心症は、心筋梗塞のリスクが中〜高い場合、冠動脈造影で判断したのち緊急手術として経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)を行うこともある。

 

IABPの適応は

1、急性心筋梗塞後の心原性ショック

2、低心拍出量症候群

3、開胸術後の人工心肺からの離脱困難時

など

 

IABPの禁忌は

絶対的禁忌として大動脈便閉鎖不全症、解離性大動脈瘤

相対的禁忌として閉塞性動脈硬化症(←血管を損傷するから?)

がある。

ファロー四徴症:酸素発作では体血管抵抗を増加させて肺血流増加を図るため血管収縮剤を用いる。

 

感染性心内膜炎の合併症には、頭部MRAで脳動脈瘤の描出もある。