ss免疫・膠原病20152016

免疫・膠原病

2016① 70%

全身性エリテマトーデスの疾患活動性の指標となるのは抗dsDNA抗体と補体。

 

リウマチ性多発筋痛症の約3割に側頭動脈炎を合併することがある

 

強直性脊椎炎の合併症:腱付着部炎、虹彩毛様体炎、大動脈炎によるAR、房室ブロック

関節リウマチの合併症の一つに環軸椎亜脱臼がある

 

全身性強皮症では、消化管運動の低下、手指における皮下石灰化、間質性肺炎、肺高血圧症の所見が合併することがある。

 

呼吸により増強する前胸部痛があり、胸部単純X線写真で心胸郭比の拡大を認めることから、SLEに伴う心膜炎が疑われる。頻脈、血圧低値を認めることから、心嚢水貯留による心タンポナーデが疑われるため、心臓超音波検査による循環動態の評価をまず行う。

 

SLEの治療について

心外膜炎に対しては副腎皮質ステロイド薬を投与する。ステロイドのみでは難治性の場合には、免疫抑制薬を併用する。腎生検の結果、Class III、IV、Vのループス腎炎を認めた場合は、免疫抑制薬と副腎皮質ステロイド薬を併用する。また、食事療法も行う。難治性の浮腫、肺水腫を伴うネフローゼ症候群には短期的にアルブミン製剤を投与することもあるが、本症例はネフローゼ症候群ではない。発熱や関節痛、筋肉痛に対して、非ステロイド性抗炎症薬を使っても良い。

 

2016② 60%

膠原病で出現する疾患特異的自己抗体は抗核抗体に含まれるものが多い。それぞれの疾患特異的自己抗体が陽性であることは、多くの場合、診断基準に含まれる.しかし抗核抗体陽性であることが診断基準に含まれる疾患は全身性エリテマトーデスのみである。

 

ベーチェット病の主症状の皮膚症状として、①結節性紅斑様皮疹②皮下の血栓性静脈炎③毛嚢炎様皮疹がある。また、眼症状としては、①虹彩毛様体炎②網膜ブドウ膜炎があげられる。副症状の中には、①変形や硬直を伴わない関節炎②副睾丸炎③回盲部潰瘍で代表される消化器病変④血管病変⑤中等度以上の中枢神経病変を認める。

糸球体腎炎はベーチェット病の診断基準に含まれない。

 

抗SRP抗体は多発性筋炎(特に重症筋炎や治療抵抗性筋炎)で陽性

 

Behçet病

病が挙がる。本邦の診断基準の主項目にはなっていないが多発関節炎もBehçet病には高頻度にみられる。変形や硬直は伴わない。全身性の炎症反応を反映して、CRPや赤沈、さらには白血球も高値になることが多いが、通常リウマチ因子や抗核抗体は陰性である。

本疾患の血管炎は静脈炎が多いが、時に大型動脈の血管炎を起こすことも知られており動脈瘤を形成することもある。間質性肺炎や糸球体腎炎は通常起こさない。

 

SLEは汎血球減少するが、関節リウマチはむしろ白血球、血小板が上昇する。

ベイカー嚢腫は関節リウマチなどで見られる膝窩滑液包炎である。また、主にリウマチ関節炎の活動性が高い時期に皮下結節や肺結節を生じることがあり、これをリウマトイド結節という。リウマトイド疹は成人発症スティル病でみられるサーモンピンク色の皮疹のことで、関節リウマチで見られる所見ではない。

 

2015① 60%

リウマチ性多発筋痛症、強直性脊椎炎、ベーチェット病でリウマトイド因子が陽性になることは稀である。

シェーグレン症候群、関節リウマチではリウマトイド因子陽性となることがある。

関節リウマチの疾患活動の評価には腫脹関節数、圧痛関節数、患者による全般評価、医師による全般評価、CRP赤血球沈降速度(ESR)が用いられる。リウマトイド因子は疾患活動性の評価には用いられない。

 

逆流性食道炎は強皮症と関係がある。

 

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)は、50歳以上の高齢者に多く発症し、肩の痛み、体に近い側の肩や上腕、大腿などの四肢近位筋主体の痛みや朝のこわばりと、微熱、倦怠感を呈する炎症性疾患です。「リウマチ」という名前はついていますが、関節リウマチとは別の病気です。リウマトイド因子陰性、抗CCP抗体陰性、抗核抗体陰性。また、「筋痛症」とありますが、筋肉よりも肩関節の痛みが顕著にみられることが多いです。

リウマチ性多発筋痛症の5-30%に巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を、また逆に巨細胞性動脈炎の約半分にリウマチ性多発筋痛症を合併し、共通の病因が考えられています。リウマチ性多発筋痛症と巨細胞性動脈炎はともにHLA-DR4という遺伝子の或る特殊な型が関係していると言われています。

 

悪性関節リウマチ=RA関節症状+RA関節外症状(+血管炎症状)

・発熱、体重減少、間質性肺炎

・上強膜炎、紫斑、多発性単神経炎、皮膚潰瘍

 

ワイヤーループ病変とは、基底膜の内皮下に免疫複合体が沈着するために基底膜全体が均一に肥厚し、ワイヤー状にみえることをさしている。ループス腎炎に特徴的である。

 

2015②

ステロイド白内障の原因はあまりよくわかっていないがとにかくステロイドの長期投与としての白内障はある。

 

シェグレン症候群の治療は対症療法が中心であり、ステロイドは通常投与しない。(発熱、関節症状などの腺外症状にはステロイドを用いるが、そもそも腺外症状はよくある症状ではない。)

MMP-3:関節リウマチのマーカー。滑膜炎の滑膜細胞から生じる。

 

強皮症に合併する疾患として、間質性肺炎、強皮症腎クリーゼ、吸収不良症候群、肺高血圧症は有名であるss