ss神経2015

2015① 74%

ルンバール(腰椎穿刺)を行う際に側頸部を両側から圧迫する。くも膜下腔が自由に交通していれば圧迫によって髄液圧は10秒以内に速やかに100mmH2Oほど上昇し、圧迫を解除したらすみやかに下降する(この所見は健常者でのものであり、Queckenstedt試験陰性という)。逆にくも膜下腔に脊髄腫瘍、変性性脊椎症などの狭窄があれば髄液圧はほとんど上昇しない(Queckenstedt試験陽性)。Queckenstedt試験は頭蓋内出血や脳腫瘍がある時、初圧が高い時は脳圧が亢進するため禁忌である。(自分で側頸部を閉めてみればわかる)

髄膜炎が疑われれば,頭蓋内圧が高い時でも髄液検査を施行しても良い。

 

多発性硬化症(MS)

症状:眼球運動障害、錐体路障害、感覚障害、自律神経障害、小脳障害、精神障害、なんでもあり

治療:急性期はステロイドパルス療法

   寛解期はインターフェロンB、免疫抑制剤(フィンゴリモドなど)

 

進行性多巣性白質脳症-JCウイルス-HIV感染

 

脊髄瘻と脊髄空洞症について

脊髄瘻…梅毒の炎症によって脊髄の後根と後索が萎縮する病気 今となってはかなり珍しいので教科書にすら載っていない

症状としては…

後根の炎症→数分から数時間続く電撃痛

後索の障害→深部感覚障害=Romberg徴候陽性の運動失調

自律神経障害→膀胱直腸障害

 

脊髄空洞症

chiari奇形Ⅰ型に合併することが多い。

初期は温痛覚障害。一側上肢の温痛覚障害から始まって、やがて両側上肢と上半身の丈の短いジャケットみたいな温痛覚障害になる。

脊髄の中心から横長に穴が開くため、深部感覚は正常

進行するともっと色々

 

新たに開発された抗凝固薬:アピキサバン

アルガトロバンは点滴静脈投与可能な抗血栓薬であり、塞栓症には禁忌である。

 

片頭痛の前兆は閃輝性暗点のみならず失語症などの脳内局所症状もある。温めると増悪する。

治療薬は

発作時:トリプタン製剤、エルゴタミン製剤、NSAIDs, アセトアミノフェン

非発作時:カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬(バルプロ酸)、抗鬱薬、β遮断薬

 

鍍銀染色標本に房状アストロサイトが観察され、中心前回、大脳基底核、脳幹に認められた。

進行性核上性麻痺に特異的組織所見である。

 

Lewy小体型認知症ではMIBG心筋シンチでMIBGの取り込み低下が見られるので、補助診断として利用される。この検査が最も精度が高い。あとレビー型認知症では起立性低血圧を起こしうるので、ヘッドアップティルト試験(ティルトテーブル試験)を行う。

 

現在、脳腫瘍のうち、5-aminolevulinic acid (5-ALA) を用いた術中腫瘍蛍光診断の適応疾患は神経膠腫であるため選択肢の中では、oligodendrogliomaかglioblastomaが適応疾患である。また、本剤の主な使用目的は、腫瘍の浸潤部位を発見し、摘出率の向上につなげることであるため、より浸潤性が強く、悪性度も高いglioblastomaが最も有用性が高いと判断される。

 

慢性頭蓋内圧亢進症状による頭痛は早朝起床時に強いのが特徴であり、うっ血乳頭による視力障害や外転神経麻痺による複視を訴えることがある。

【頭蓋内圧亢進時、外転神経麻痺が起こる理由】 一側ないし両側の眼球が鼻側に偏位し、複視を訴える場合があります。外転神経は、脳幹(橋)の背部から出て、走行する距離が最も長い神経で環境の変化の影響を受けやすいことと、上方へ向かって走行するため、脳幹の下方への圧迫偏位を受けやすいと考えられています。

 

脊髄髄膜瘤は一次神経管閉鎖障害で生じる。

感染や神経障害進行予防のために出生後72時間以内での修復術が必要となり、合併する両下肢運動感覚障害や膀胱直腸障害に対する管理が必要となる。

 

小脳-第4脳室に発症する腫瘍…小脳星細胞腫、上衣腫、髄芽腫

 

中枢神経系胚細胞腫瘍…松果体部や鞍上部に発生する浸潤性の腫瘍。胚腫(ジャーミノーマ)(約75%)や奇形腫(テラトーマ)が多い。

 

神経膠細胞は、神経細胞以外のすべての中枢に存在する細胞を指す。

  1. 星状膠臍傍系腫瘍

1びまん性星細胞腫…高分化で悪性度が低い。成人でほとんど大脳半球に発生する

膠芽腫…星状膠細胞系腫瘍のうちもっとも悪性度が高い。大脳半球に好発。

3毛様細胞性星細胞腫…星状膠細胞系腫瘍のうちもっとも良性。小児の小脳に主に好発。

  1. 乏突起膠細胞系腫瘍…
  2. 1乏突起膠腫…オリゴデンドログリア様の細胞で構成され、緩徐発育。大脳半球に好発し、脳幹や小脳はまれ。石灰化の頻度が高い。
  3. 上衣系腫瘍
  4. 1上衣腫…第四脳室に好発。小児に好発。

 

髄芽腫

 

髄膜腫

 

神経鞘

 

下垂体腺腫

 

頭蓋咽頭

 

中枢神経系胚細胞腫瘍

 

血管芽腫

 

中枢神経原発悪性リンパ腫

 

転移性脳腫瘍

 

2015② 55%

ニューロパチー=末梢神経障害。錐体路障害は含まれない。

 

小脳変性症のなかに、脊髄小脳変性症(SCA 常優でMachado-Joseph病を含む)と多系統萎縮症(MSA 遺伝性なし)が含まれる。

 

歯状核赤核淡蒼球ルイ体異常症

常優で、triplet repeat病のひとつ。

若年発症の場合はミオクローヌスてんかん認知症が、遅発成人型では小脳失調と舞踏病アテトーゼが主体となる。

 

クロピドグレルは強力な抗血小板作用を示す抗血栓薬であり、アテローム血栓脳梗塞の再発予防に用いる。

 

心臓副交感神経障害では呼吸性不整脈が消失する。

 

超皮質性失語は、復唱障害がないことが特徴的。この一点だけでほかの失語から区別できる。

逆に伝導性失語では復唱障害が特徴的。

 

硬膜外:転移性脊髄腫瘍(肺癌、乳癌、甲状腺癌、前立腺癌、等) 硬膜内髄外:神経鞘腫(末梢神経のschwann細胞に発生するから)、髄膜腫 髄内:星細胞腫、上衣腫、血管芽腫、海綿状血管腫

 

視神経の髄鞘は中枢神経と同じ構造である。←MSは中枢神経系の白質のみが脱髄する。

 

頭蓋咽頭腫は胎生期の頭蓋咽頭管の遺残から発生する先天性腫瘍であり、小児期および成人に発生する。多くはのう胞を形成する。

小児髄膜腫の頻度は少ない。

 

海綿静脈洞における硬膜動静脈瘻←内頸静脈-海綿静脈洞瘻と混同しないこと!!!

後天性の要素が大きく女性に多い。うっ血乳頭は認められない場合もある。

 

X連鎖性遺伝性水頭症の問題である。X染色体連鎖性劣性遺伝様式をとる遺伝性水頭症で、男児のみに発症する。Xq28に座位するL1CAMが原因遺伝子と考えられている。治療は脳室腹腔シャント術が第一選択であるが、治療に関わらず重度の精神運動発達遅滞を認める。

FGFR遺伝子異常はApert症候群などの頭蓋骨縫合早期癒合症に認められる。

 

FDG-PETは原発が不明な転移性脳腫瘍の症例において、原発巣の検出やその他の転移巣の評価には極めて有用である

 

鈎ヘルニアは、同側の動眼神経麻痺を起す。これにより瞳孔は散瞳し、眼球は外転位になる。急な意識レベルの低下もある