ss代謝・内分泌2016

代謝・内分泌

2016① 62

 

メタボリックシンドロームでは肥満やインスリン抵抗性により、腎よりの酸の分泌が増加し、酸性尿となりやすい。

 

抗サイログロブリン抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体は甲状腺細胞に対する自己抗体で、Basedow病でも橋本病(無痛性甲状腺炎)でも高率に検出される。そのため、鑑別に用いることはできない。

 

腫瘤は境界明瞭、辺縁整である。この所見から最も考えにくいのは硬癌である。硬癌の特徴は腫瘤の辺縁は不整で境界はしばしばスピキュラを伴う。

 

成長ホルモン産生下垂体腫瘍治療の第一選択は、外科的摘出である。できるだけ摘出しホルモン値を低下させることが目的となる。 巨大な腫瘍以外は、内視鏡下経蝶形骨洞手術が低侵襲であり選択される。本症例も視野障害を呈していないことから腫瘍のサイズは小さいことが分る。手術により摘出しても成長ホルモン値が低下しない場合は、薬剤治療を追加し、それでも効果がない場合放射線治療を併用することになる。 成長ホルモン産生下垂体腫瘍の治療第一選択が外科的摘出であることは重要である。

 

131I‐アドステロールシンチはcushingでも原発性アルドステロン症でも両方で用いられる?

 

Addison病の血液検査について

・好中球の減少

・リンパ球の増加

好酸球の増加

糖質コルチコイドによる抗炎症作用がなくなるためと考える。

 

糖尿病診断基準

Step1 ・随時血糖値200mg/dL以上

    ・空腹時血糖値 126mg/dL以上

    ・75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 200mg/dL以上

   これらのいずれかを満たすと、糖尿病型である

Step2 step1を前提として、

   ・別の日でもstep1のいずれかを満たす

   ・糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在

   ・HbA1c≧6.5%

   ・確実な糖尿病網膜症の存在

   ・糖尿病型の既往

   これらのいずれかを満たすと、糖尿病と診断される。

   つまり、数値系のなかでHbA1cだけがstep2に属する。

 

甲状腺クリーゼの診断基準において、必須項目は甲状腺中毒症の存在(遊離T3および遊離T4の少なくとも一方が高値)であり、加えて以下の他の症状、1.中枢神経症状、2.発熱(38度以上)、3.頻脈(130回/分)以上、4.心不全症状(肺水腫,肺野の50%以上の湿性ラ音、心原性ショックなどの重度な症状、NYHA分類4度またはkillip分類Ⅲ度以上)、5.消化器症状(嘔気,嘔吐,下痢,黄疸)のうち、確実例は以下の基準を満たすものである。a.中枢神経症状+他の症状項目を1つ以上、b.中枢神経症状以外の症状項目3つ以上。

 

胃切除後では、post hyperglycemic hypoglycemiaにより、食後しばらくしてから反応性低血糖がみられる。 e.インスリン自己抗体はインスリンに結合する。しかしこの結合は弱く、インスリンと自己抗体が解離して血漿中の遊離インスリン濃度が上昇すると低血糖を起こすと考えられている。しかし一方、食後に分泌されたインスリンが抗体に結合して直ちには働かないため、耐糖能異常をもきたす。

 

インスリンとソマトスタチンはそれぞれα細胞のインスリン受容体およびソマトスタチン受容体に結合しグルカゴン分泌を抑制する。DPP4阻害薬はGLP-1の分解を抑制することで、内因性GLP-1濃度を上昇させる。作用機序は不明だが、GLP-1はグルカゴン分泌を抑制する。SGLT2阻害薬はグルカゴン分泌を促進するが、その作用機序は不明である。

 

とにかくDPP4とGLP-1は関連がある

 

メタボリック症候群の肝臓所見

腹部超音波診断で肝実質エコーの上昇、CTでは肝実質CT値の低下所見が得られる

 

コリンエステラーゼが高値のため肝硬変とは考えにくく、血中IGF-1(ソマトメジンC)の低値は考えにくい。

インスリン様成長因子1IGF-1)は主に肝臓で成長ホルモン(GH)による刺激の結果分泌される。IGF-1はソマトメジンCとも呼ばれる。

 

甲状腺未分化癌の治療で手術療法は禁忌に近い

Plummer病

甲状腺ホルモン産生性良性機能性甲状腺腺腫

眼球突出ない

治療:外科的切除

 

甲状腺ホルモン投与の副作用として心機能が亢進し、心筋虚血が起こり得る。

無顆粒球症を起こしうるのはチアマゾール。つまり抗甲状腺薬であって橋本病治療とは関係ない。

 

戦後、日本人の生活様式の変化などと相俟って、乳癌の罹患数は未だに増加の一途をたどっている。近年ではそのlife time riskは12:1と推定されている。1996年には乳癌の罹患率は胃癌を抜いてトップになった。乳癌の増加の傾向は諸外国でも同様であるが、欧米先進国では1990年代を境にして、死亡率は減少に転じているが、わが国では未だ死亡率も増加の傾向にある。罹患数のピークが40歳代後半にあることが欧米諸国とは異なったわが国の特色である。2014年の統計では罹患数86,700人、死亡数は13,400人と推定されている。

 

可動性良好で境界明瞭で平滑で整な無エコー腫瘤ということから乳腺のう胞をまず考える。しかし、一部高エコー域を認めることから、のう胞内乳頭腫やのう胞内乳癌を細胞診により、確認する必要がある。のう胞性ではなく、充実性の腫瘤の時は針生検にて組織を採取することが大切である。

 

副甲状腺の局在は頚部から縦隔まで広く分布し、線の数も4腺とは限らない。Tc-MIBI検査は心筋障害の検査であるが、副甲状腺の局在診断にも 有用である。

 

甲状腺癌の一種である髄様癌が強く疑われる。 また、血中カテコルアミンの一部高値を認め、実母にも甲状腺疾患の既往があることから、髄様癌を一分症として発症する多発性内分泌症(MEN type II)の可能性が示唆される。このため副腎の精査が必須であり、腹部(両側副腎)超音波検査、腹部MRI、副腎シンチグラフィー検査などが次の画像検査として優先される。

 

2016② 57%

Friedewaldの式 (LDL-C = TC - HDL-C - TG/5) にて計算すると、135 mg/dLが正解である。

 

慢性腎不全はCa↓、P↑

腫瘍性低リン血症性骨軟化症はP低下と共にビタミンDの働きが阻害される。

 

原発性Akl症

スクリーニングには、アルドステロン濃度 / レニン活性の比が200以上であることが用いられる。

 

原発性アルドステロン症の所見

多尿(尿濃縮障害)、筋力低下、脱力発作、四肢麻痺、テタニー、ST低下、T波平坦化、U波出現→低K血症による症状

 

治療は褐色細胞腫が合併していた場合、術中高血圧を避けるため、副腎摘出術が最優先される。甲状腺については遺伝性の場合甲状腺全摘術+両側頸部リンパ節郭清術が推奨される。

 

ケトアシ:クスマウル(Kussumaul)大呼吸による呼吸性の代償が起こっていることが多く、重炭酸ナトリウムの補給はpH<7.2の重篤なアシドーシスで、かつインスリン療法と補液による改善が見込まれない時以外は行わない。しかもこれを急速に注入すれば呼吸抑制や脳浮腫がおこりやすいため、呼吸管理の準備を必要とする。

→つまり試験で答えになることはまずないであろう

 

乳癌罹患の危険因子としてエストロゲン暴露と遺伝子変異があげられる。 月経の開始が早く、閉経が遅い、長期にわたるホルモン補充療法、授乳期間が短い、出産経験が少ない、アルコール多飲はエストロゲン暴露と関連する。また、BRCA1・2の変異やp53変異を持つ場合、遺伝子の修復機能が不全となり、乳癌罹患の危険が高まる。

 

男性の体内で産生されたアンドロゲン(テストステロン)は肝臓で代謝され、エストロゲンとなり、さらに肝臓で代謝され血中から消失する。肝硬変により、肝機能が低下することで血中エストロゲンが相対的過多となると、乳腺組織が増殖し女性化乳房症となる。両側性、片側性どちらもありうる。 男性乳癌は全乳癌の1%を占め、好発年齢は50-60歳である。発見契機として腫瘤自覚が最も多い。