ss神経2015

2015① 74%

ルンバール(腰椎穿刺)を行う際に側頸部を両側から圧迫する。くも膜下腔が自由に交通していれば圧迫によって髄液圧は10秒以内に速やかに100mmH2Oほど上昇し、圧迫を解除したらすみやかに下降する(この所見は健常者でのものであり、Queckenstedt試験陰性という)。逆にくも膜下腔に脊髄腫瘍、変性性脊椎症などの狭窄があれば髄液圧はほとんど上昇しない(Queckenstedt試験陽性)。Queckenstedt試験は頭蓋内出血や脳腫瘍がある時、初圧が高い時は脳圧が亢進するため禁忌である。(自分で側頸部を閉めてみればわかる)

髄膜炎が疑われれば,頭蓋内圧が高い時でも髄液検査を施行しても良い。

 

多発性硬化症(MS)

症状:眼球運動障害、錐体路障害、感覚障害、自律神経障害、小脳障害、精神障害、なんでもあり

治療:急性期はステロイドパルス療法

   寛解期はインターフェロンB、免疫抑制剤(フィンゴリモドなど)

 

進行性多巣性白質脳症-JCウイルス-HIV感染

 

脊髄瘻と脊髄空洞症について

脊髄瘻…梅毒の炎症によって脊髄の後根と後索が萎縮する病気 今となってはかなり珍しいので教科書にすら載っていない

症状としては…

後根の炎症→数分から数時間続く電撃痛

後索の障害→深部感覚障害=Romberg徴候陽性の運動失調

自律神経障害→膀胱直腸障害

 

脊髄空洞症

chiari奇形Ⅰ型に合併することが多い。

初期は温痛覚障害。一側上肢の温痛覚障害から始まって、やがて両側上肢と上半身の丈の短いジャケットみたいな温痛覚障害になる。

脊髄の中心から横長に穴が開くため、深部感覚は正常

進行するともっと色々

 

新たに開発された抗凝固薬:アピキサバン

アルガトロバンは点滴静脈投与可能な抗血栓薬であり、塞栓症には禁忌である。

 

片頭痛の前兆は閃輝性暗点のみならず失語症などの脳内局所症状もある。温めると増悪する。

治療薬は

発作時:トリプタン製剤、エルゴタミン製剤、NSAIDs, アセトアミノフェン

非発作時:カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬(バルプロ酸)、抗鬱薬、β遮断薬

 

鍍銀染色標本に房状アストロサイトが観察され、中心前回、大脳基底核、脳幹に認められた。

進行性核上性麻痺に特異的組織所見である。

 

Lewy小体型認知症ではMIBG心筋シンチでMIBGの取り込み低下が見られるので、補助診断として利用される。この検査が最も精度が高い。あとレビー型認知症では起立性低血圧を起こしうるので、ヘッドアップティルト試験(ティルトテーブル試験)を行う。

 

現在、脳腫瘍のうち、5-aminolevulinic acid (5-ALA) を用いた術中腫瘍蛍光診断の適応疾患は神経膠腫であるため選択肢の中では、oligodendrogliomaかglioblastomaが適応疾患である。また、本剤の主な使用目的は、腫瘍の浸潤部位を発見し、摘出率の向上につなげることであるため、より浸潤性が強く、悪性度も高いglioblastomaが最も有用性が高いと判断される。

 

慢性頭蓋内圧亢進症状による頭痛は早朝起床時に強いのが特徴であり、うっ血乳頭による視力障害や外転神経麻痺による複視を訴えることがある。

【頭蓋内圧亢進時、外転神経麻痺が起こる理由】 一側ないし両側の眼球が鼻側に偏位し、複視を訴える場合があります。外転神経は、脳幹(橋)の背部から出て、走行する距離が最も長い神経で環境の変化の影響を受けやすいことと、上方へ向かって走行するため、脳幹の下方への圧迫偏位を受けやすいと考えられています。

 

脊髄髄膜瘤は一次神経管閉鎖障害で生じる。

感染や神経障害進行予防のために出生後72時間以内での修復術が必要となり、合併する両下肢運動感覚障害や膀胱直腸障害に対する管理が必要となる。

 

小脳-第4脳室に発症する腫瘍…小脳星細胞腫、上衣腫、髄芽腫

 

中枢神経系胚細胞腫瘍…松果体部や鞍上部に発生する浸潤性の腫瘍。胚腫(ジャーミノーマ)(約75%)や奇形腫(テラトーマ)が多い。

 

神経膠細胞は、神経細胞以外のすべての中枢に存在する細胞を指す。

  1. 星状膠臍傍系腫瘍

1びまん性星細胞腫…高分化で悪性度が低い。成人でほとんど大脳半球に発生する

膠芽腫…星状膠細胞系腫瘍のうちもっとも悪性度が高い。大脳半球に好発。

3毛様細胞性星細胞腫…星状膠細胞系腫瘍のうちもっとも良性。小児の小脳に主に好発。

  1. 乏突起膠細胞系腫瘍…
  2. 1乏突起膠腫…オリゴデンドログリア様の細胞で構成され、緩徐発育。大脳半球に好発し、脳幹や小脳はまれ。石灰化の頻度が高い。
  3. 上衣系腫瘍
  4. 1上衣腫…第四脳室に好発。小児に好発。

 

髄芽腫

 

髄膜腫

 

神経鞘

 

下垂体腺腫

 

頭蓋咽頭

 

中枢神経系胚細胞腫瘍

 

血管芽腫

 

中枢神経原発悪性リンパ腫

 

転移性脳腫瘍

 

2015② 55%

ニューロパチー=末梢神経障害。錐体路障害は含まれない。

 

小脳変性症のなかに、脊髄小脳変性症(SCA 常優でMachado-Joseph病を含む)と多系統萎縮症(MSA 遺伝性なし)が含まれる。

 

歯状核赤核淡蒼球ルイ体異常症

常優で、triplet repeat病のひとつ。

若年発症の場合はミオクローヌスてんかん認知症が、遅発成人型では小脳失調と舞踏病アテトーゼが主体となる。

 

クロピドグレルは強力な抗血小板作用を示す抗血栓薬であり、アテローム血栓脳梗塞の再発予防に用いる。

 

心臓副交感神経障害では呼吸性不整脈が消失する。

 

超皮質性失語は、復唱障害がないことが特徴的。この一点だけでほかの失語から区別できる。

逆に伝導性失語では復唱障害が特徴的。

 

硬膜外:転移性脊髄腫瘍(肺癌、乳癌、甲状腺癌、前立腺癌、等) 硬膜内髄外:神経鞘腫(末梢神経のschwann細胞に発生するから)、髄膜腫 髄内:星細胞腫、上衣腫、血管芽腫、海綿状血管腫

 

視神経の髄鞘は中枢神経と同じ構造である。←MSは中枢神経系の白質のみが脱髄する。

 

頭蓋咽頭腫は胎生期の頭蓋咽頭管の遺残から発生する先天性腫瘍であり、小児期および成人に発生する。多くはのう胞を形成する。

小児髄膜腫の頻度は少ない。

 

海綿静脈洞における硬膜動静脈瘻←内頸静脈-海綿静脈洞瘻と混同しないこと!!!

後天性の要素が大きく女性に多い。うっ血乳頭は認められない場合もある。

 

X連鎖性遺伝性水頭症の問題である。X染色体連鎖性劣性遺伝様式をとる遺伝性水頭症で、男児のみに発症する。Xq28に座位するL1CAMが原因遺伝子と考えられている。治療は脳室腹腔シャント術が第一選択であるが、治療に関わらず重度の精神運動発達遅滞を認める。

FGFR遺伝子異常はApert症候群などの頭蓋骨縫合早期癒合症に認められる。

 

FDG-PETは原発が不明な転移性脳腫瘍の症例において、原発巣の検出やその他の転移巣の評価には極めて有用である

 

鈎ヘルニアは、同側の動眼神経麻痺を起す。これにより瞳孔は散瞳し、眼球は外転位になる。急な意識レベルの低下もある

 

 

ss神経2016

神経

2016① 65%

L5/S1レベルの腰椎椎間板ヘルニアの症例ではS1神経根の症状が想定される。

 

デルマトーム

首肩…S2~S3

腕…外側から内側へU字にC5~T2

乳頭…T4

鼠径部…L1

大腿…L2~L3

膝から下…内側からL4, L5, S1

 

高次脳機能障害精神障害者保険福祉手帳の対象である。

 

中枢神経の髄鞘…オリゴデンドロサイト

末梢神経の髄鞘…シュワン細胞

 

ALS

診断基準では、より電気生理学的所見を重要視したAwaji基準が用いられてきている。予後不良因子として、球麻痺発症、呼吸障害発症、高齢発症、栄養状態不良、症状が身体の一領域から隣接する領域に速く進展すること、が挙げられている。  

筋萎縮性側索硬化症の針筋電図では陽性鋭波を認める(脱神経所見)。

 

dopamine transporter (DAT) SPECTは線条体におけるDATに高い親和性を有するイオフルパンを用いて行う検査で、黒質線条体ドパミン神経細胞変性を伴う疾患で低下する。本邦では2014年1月から放射性薬剤(123I-FP-CIT、ダットスキャン®静注)が発売され一般病院でも実施可能となった。したがって、本態性振戦、正常圧水頭症、Alzheimer病、薬剤性parkinson症候群では正常所見を示す。←最近の治療なので出やすいかも

 

多系統萎縮症…①②③いずれも自律神経障害はほぼ必発であり、突然死のリスクが高い。

パーキンソン病と異なり静止時振戦はめだたない。

  1. MSA-C(オリーブ橋小脳変性症)
  2. MSA-P(線条体黒質変性症)
  3. Shy-Drager 症候群

 

本邦では発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対してアルテプラーゼを用いた経静脈的血栓溶解療法が実施可能である。ウロキナーゼ、パミプラーゼ、モンテプラーゼ、デスモテプラーゼはいずれも投与できない。

 

塞栓源の不明な脳塞栓症(Embolic stroke with undetermined sources: ESUS)の診断を問う。ESUSは、頭部MRI、神経超音波検査、脳血管造影、心電図等を実施し既知の塞栓源が存在しないことが診断基準である。長時間モニター心電計を装着したESUSの30%に、発作性心房細動を認めた。ネックレス型、体内挿入型など各種機器が開発されている。

 

左頭頂円蓋部髄膜腫の症例である。95%は30歳以降、40~70歳に好発する。小児髄膜腫は少ない。円蓋部硬膜に付着部を有し、外頚動脈(中硬膜動脈)より腫瘍陰影が描出されている。典型的な場合はsunburst appearanceやovershadowingの所見を呈する。本症例は腫瘍辺縁に脳浮腫を伴っており、頭蓋内圧亢進による頭痛・嘔吐を伴っている。治療は外科的摘出が第一選択で、発生母地である付着硬膜を含めて全摘出する。術中出血をコントロールするため術前に腫瘍血管塞栓術を行う場合もある。病理検査は、髄膜腫に典型的な所見として渦巻形成 (whorl formation)が認められている。

 

膠芽腫

特徴的な大脳深部への浸潤像を呈しており、ADLを落とさずに全摘することは不能であると考えられるため、aは誤り。 強度変調放射線照射はIMRTとも呼ばれ、正常脳への放射線の影響を抑えながら、腫瘍への高線量照射を可能にする方法であるため、膠芽腫での有用性が期待される治療であり、bが正しい。

 

2016②

脳脊髄液検査

頸静脈を圧迫すると髄液圧は上昇する。

両側うっ血乳頭を認めても頭蓋内に占拠性病変がなければ施行しても良い。

→どのようなときは髄液検査していけないかというと、腫瘍や出血などのマスが原因で脳圧が亢進しているときです。CTで腫瘍や出血などがあり、うっ血乳頭があったら検査してはいけません。(つまりうっ血乳頭単独の所見なら髄液検査OK)

 

.ヘルペス脳炎では周期性一側性てんかん様放電(PLEDs)を認める。周期性同期性高振幅鋭波はCreutzfeldt-Jakob病で認める。

正常な成人男性は安静閉眼時に8~13Hzα波を認める。

 

強直性筋ジストロフィー:常優

Duchenne型筋ジストロフィー:伴劣

Becker型筋ジストロフィー:伴劣

肢体型筋ジストロフィー:常劣

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー:常優

 

Onufrowicz核は外尿道括約筋を支配している。この障害で排尿障害をおこす。(ALSはOnuf核が障害されないため排尿障害をきたさない。)

脊髄の側核交感神経であり障害で発汗低下となる。発汗過多は視床などの中枢性の障害で出現することがある。橋には排尿中枢がある(cf.排便中枢は仙髄)。

 

視神経脊髄炎

多発性硬化症と違い、インターフェロンβでなくステロイドで再発予防とする。

失明に至るような重度の視神経炎を呈することがある。

血清で抗AQP4抗体陽性のことが多い。

急性増悪期にはステロイドパルス療法や血漿交換療法を施行する。

 

中脳被蓋部の萎縮は進行性核上性麻痺、側脳室の拡大と高位円蓋部脳溝の狭小化は正常圧水頭症に認められる画像変化である。

 

純粋自律神経機能不全症:pure autonomic failure

多系統萎縮症,パーキンソン病/レビー小体型認知症を発症しうることが知られている.

純粋自律神経不全症は,自律神経節の神経細胞脱落により生じ,起立性低血圧やその他の自律神経症状を引き起こす。

 

純粋自律神経不全症は,以前は特発性起立性低血圧やBradbury-Eggleston症候群と呼ばれていた病態で,中枢神経系の障害を伴わない全般的な自律神経障害を指す概念である。この疾患は,中枢神経系と節前神経に障害がみられないという点で多系統萎縮症とは異なる。純粋自律神経不全症は女性に多く,40~50代で発症する傾向にあるが,死に至ることはない。

病因は通常不明である。

一部の症例ではシヌクレイノパチー( パーキンソン病 : 病態生理)が原因であるが,シヌクレインの蓄積はパーキンソン病,多系統萎縮症,およびレビー小体型認知症でもみられる。一部の純粋自律神経不全症患者は,最終的に多系統萎縮症またはレビー小体型認知症を発症する。ときに,自己免疫性自律神経性ニューロパチーが原因のこともある。

主な症状は起立性低血圧であるが,発汗減少,暑さへの耐性低下,尿閉,膀胱痙攣(失禁の原因となりうる),勃起障害,便失禁または便秘,瞳孔異常など,他の自律神経症状がみられることもある。

(診断) 臨床的評価

診断は除外診断による。

 

レビー小体型疾患発症の自覚症状のひとつに、嗅覚脱失がある。

 

前頭葉徴候

  1. 人格の変容
  2. 遂行機能障害
  3. 記憶障害 主にワーキングメモリーの障害
  4. 抑うつ
  5. 注意障害
  6. 異常反射 把握反射,手探り反射,吸引反射,手掌おとがい反射,緊張性足底反射,交差屈曲反射
  7. クラル現象
  8. カタレプシー かたまったまま。統合失調症の緊張病症候群によくみられる。
  9. 尿失禁
  10. 失語
  11. 半側空間無視
  12. 自発性の低下
  13. 嗅覚異常

ss精神科2015

2015① 95%

作為思考=させられ体験

思考制止は思考過程の障害であって自我障害ではない。

 

両価性と双極性障害は全く別のもの。両価性は統合失調症でみられる。

 

抗精神病薬は原則精神病性障害の治療薬であるが、ハロペリドールなど抗躁作用を示すものもある。

 

カタプレキシー:喜怒哀楽、恐れや羞恥といった過度の情動刺激(感情の高ぶり)により発生する発作症状。日本名「情動脱力発作」。

カタレプシー:

 

ホスピタリゼーション「あまり長期間入院させないほうがいいよ」

長期間,施設や病院内生活を余儀なくされたことによる精神身体面にわたる影響性をいう.情緒不安定性人格障害感情鈍麻意欲減退社会性の低下など,その影響は広範囲に及ぶ.ホスピタリズムを防ぐためには,閉鎖的環境におくことをできるだけ避け,家族や社会との関係を常に保ち,情緒的接触を絶やさないことが必要である。

 

境界性パーソナリティ障害

薬物療法はあくまで補助的な手段にすぎず、特にSSRIは患者の衝動性を悪化させることもあるので注意が必要である。

 

アルコール幻覚症は主に幻聴が多く、また断酒時に存在する

 

せん妄の治療は、抗精神病薬を使い、抗不安薬睡眠薬ではせん妄を増悪させることある。しかし、アルコール離脱せん妄の治療に関しては、抗不安薬であるベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択になる。

ss精神科2016

精神科

2016① 68%

せん妄の幻覚では幻視が多いが、時に低活動性のせん妄も出現する。認知症に伴って出現することもある。

 

双極性障害躁うつ病)は、発病に遺伝素因の関与が大きい。女性に多い単極型うつ病とは異なり、発生率に性差はない。人種差についても同様である。発症は単極型うつ病と比較して早く、95%以上が25~26歳までに初発するという報告がある。

 

爽快気分は、気分が高揚して活気に満ちた状態であり、躁状態でみられる。 感情失禁は、些細なことで泣いたり怒ったりと強い情動反応がみられることで、脳器質性精神障害でみられる。感情鈍麻は器質性精神病や統合失調症でみられる。妄想気分は、あらゆるものが新たな意味を持ち周囲が不気味に感じられるという、妄想(思考障害)の1つである。

 

代表的な抗認知症薬にはNMDA受容体阻害薬アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(塩酸ドネぺジルなど)がある。

代表的な抗不安薬は後シナプスのγ-アミノ酪酸(GABA)受容体に存在するベンゾジアゼピン結合部位に作用する。 代表的な気分安定薬神経細胞のナトリウムイオンチャネル等に作用すると考えられている。

 

短期記憶の分類

  1. 即時記憶
  2. 近時記憶
  3. 作動記憶…いわゆるワーキングメモリー 短期記憶だけど前頭前野が関わっていて特殊

短期記憶は海馬を中心とした辺縁系が関与し、秒単位の即時記憶と数分〜数日までの近時記憶がある。干渉をいれずに復唱させることで検査するのが即時記憶、干渉後に再生させることで検査するのが近時記憶である。

 

長期記憶

  1. 陳述記憶…エピソード記憶(加齢で障害されやすい)、意味記憶
  2. 非陳述記憶…手続き記憶

 

けいれんは身体全体あるいは身体の一部に現れる運動症状である。脳の機能で随意運動を司る部分は中心前回であり、その部位の障害は対側身体の運動症状(けいれん)ないし麻痺として現れる。

 

精神疾患において最も注意すべき出来事は自殺である。統合失調症においては急性期治療後にうつ状態となるが(これを精神病後のうつ状態とよぶ)、この時期には陽性症状は消退したものの自己評価が低下しうつ状態となり、社会復帰が困難と強く感じることが多い時期で自殺につながりやすい時期である。

 

小児期のADHDの併存障害は反抗挑戦性障害や素行障害が多い。

 

躁状態薬物療法としての第一選択は、炭酸リチウム、バルプロ酸カルバマゼピン抗精神病薬である。

塩酸ドネペジルは抗認知症

塩酸メチルフェニデート製剤はナルコレプシーやAD/HD

 

解離性(転換性)障害は、若い女性に多く、症状を呈することによって葛藤や欲求不満をとりあえず回避できるという一次疾病利得と周囲から心配してもらえるという二次疾病利得があるとされる。

 

行為障害は反復し持続する反社会的、攻撃的な行動パターンが特徴である。

表出性言語障害とは言語理解が正常であるにもかかわらず、表出言語を使用する能力が年齢に比して明らかに遅滞しているものである。自閉症と異なりコミュニケーションを求める傾向は認められる。

 

アルツハイマー病では記憶障害が認められ、MMSEなどの検査では遅延再生課題や時間見当識の課題で失点しやすい。脳血流SPECTでの頭頂葉連合野の血流低下が目立つ。

 

アルコール依存症ベンゾジアゼピン抗不安薬を投与するのは「アルコール離脱期の振戦せん妄に対して」であって、アルコールを常用している頃に服用させても意味がない。

 

通過症候群…脳が器質的に障害を受けた際の回復過程において、意識障害などを起こす急性期と、痴呆などを起こす慢性期の中間時期に起こる一過性の精神症状群。自発性の低下や幻覚妄想が生じたり、情動障害、記憶障害、躁状態うつ状態などの症状が現われる。回復するに従い、重度通過症候群から、中度通過症候群、軽度通過症候群を経て回復に向う場合と、痴呆症や人格変化などの障害が残ってしまう場合のいずれかへと移行する。

 

患者の同意もなく勝手に産業医や家族に連絡することは個人情報保護の観点から出来ない。

 

統合失調症の投薬について

現在、非定型抗精神病薬を第一選択薬として処方するため、リスペリドンとオランザピンが適当である。定型抗精神病薬ハロペリドールも有効だが、副作用の観点から定型抗精神病薬は第一選択薬とはならない。

 

2016② 73%

小動物幻視…レビー小体型認知症、アルコール依存

 

幻覚には、幻聴、幻視などが有名ですが、他にも、幻嗅(げんきゅう)、幻味、幻触、そして、体感幻覚があります。 幻覚とは、「対象無き知覚」といわれます。 有名なことばです(これを知らない精神科医はモグリと言っていいくらい有名です)。

 

幻臭は、側頭葉てんかん、脳腫瘍、統合失調症、薬物中毒などで出現する。 体感幻覚(セネストパチー)は統合失調症で特徴的であるが、器質性精神障害うつ病でも認められる。幻覚の一種の「幻触」と、異様な皮膚感覚が合わさった体性感覚の幻覚。皮膚感覚には、何かが接触していると感じる触覚、押されている感じる圧覚、痛く感じる痛覚、熱い・冷たいと感じる温度覚など幾つかの種類があるが、特に「統合失調症」の場合は、骨がぼろぼろ崩れる感じや、頭の中が粘つく感じ、脳味噌がとけるような感じ、体内の突起した異物感など、妄想的な主訴が目立つ。

 

対話性幻聴は統合失調症に特徴的な症状である。

 

自殺は自己保存欲の障害である。

行為心迫は欲動の亢進に伴って見られる症状であって、強迫性障害ではない

 

糖脂質代謝異常の副作用が問題となるのは、第一世代(定型)抗精神病薬ではなく第二世代(非定型)抗精神病薬である。

 

統合失調症の経過…初期→急性期→回復期→慢性期

初期分裂病の症状特異的四主徴は自生思考(とりとめもない考えがうかんでまとまらなくなる)、漠とした被注察感、気付き亢進(周囲の反応などに特定の意味があるように感じる)、緊迫困惑気分

 

抑うつ障害群は、近年増加傾向を示しており、その生涯有病率は、大うつ病エピソードで男性12.7%、女性21.3%、全体17.1%とされている。

 

ADHD男児に多く、分類には、多動衝動型、不注意優勢型、混合型がある。多動症状は概ね中学生くらいになると落ち着くが、不注意症状はその後も残存する。

 

重症うつ病の治療について

薬物療法としては非定型抗精神病薬抗うつ薬の併用療法が、それぞれの単剤療法より有効という報告がある。重症で緊急性もあるため電気けいれん療法の適応にもなろう。認知療法は症状が軽快したのちに行う。

 

前兆のある発作:単純部分発作

 

 

ss代謝・内分泌2016

代謝・内分泌

2016① 62

 

メタボリックシンドロームでは肥満やインスリン抵抗性により、腎よりの酸の分泌が増加し、酸性尿となりやすい。

 

抗サイログロブリン抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体は甲状腺細胞に対する自己抗体で、Basedow病でも橋本病(無痛性甲状腺炎)でも高率に検出される。そのため、鑑別に用いることはできない。

 

腫瘤は境界明瞭、辺縁整である。この所見から最も考えにくいのは硬癌である。硬癌の特徴は腫瘤の辺縁は不整で境界はしばしばスピキュラを伴う。

 

成長ホルモン産生下垂体腫瘍治療の第一選択は、外科的摘出である。できるだけ摘出しホルモン値を低下させることが目的となる。 巨大な腫瘍以外は、内視鏡下経蝶形骨洞手術が低侵襲であり選択される。本症例も視野障害を呈していないことから腫瘍のサイズは小さいことが分る。手術により摘出しても成長ホルモン値が低下しない場合は、薬剤治療を追加し、それでも効果がない場合放射線治療を併用することになる。 成長ホルモン産生下垂体腫瘍の治療第一選択が外科的摘出であることは重要である。

 

131I‐アドステロールシンチはcushingでも原発性アルドステロン症でも両方で用いられる?

 

Addison病の血液検査について

・好中球の減少

・リンパ球の増加

好酸球の増加

糖質コルチコイドによる抗炎症作用がなくなるためと考える。

 

糖尿病診断基準

Step1 ・随時血糖値200mg/dL以上

    ・空腹時血糖値 126mg/dL以上

    ・75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 200mg/dL以上

   これらのいずれかを満たすと、糖尿病型である

Step2 step1を前提として、

   ・別の日でもstep1のいずれかを満たす

   ・糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在

   ・HbA1c≧6.5%

   ・確実な糖尿病網膜症の存在

   ・糖尿病型の既往

   これらのいずれかを満たすと、糖尿病と診断される。

   つまり、数値系のなかでHbA1cだけがstep2に属する。

 

甲状腺クリーゼの診断基準において、必須項目は甲状腺中毒症の存在(遊離T3および遊離T4の少なくとも一方が高値)であり、加えて以下の他の症状、1.中枢神経症状、2.発熱(38度以上)、3.頻脈(130回/分)以上、4.心不全症状(肺水腫,肺野の50%以上の湿性ラ音、心原性ショックなどの重度な症状、NYHA分類4度またはkillip分類Ⅲ度以上)、5.消化器症状(嘔気,嘔吐,下痢,黄疸)のうち、確実例は以下の基準を満たすものである。a.中枢神経症状+他の症状項目を1つ以上、b.中枢神経症状以外の症状項目3つ以上。

 

胃切除後では、post hyperglycemic hypoglycemiaにより、食後しばらくしてから反応性低血糖がみられる。 e.インスリン自己抗体はインスリンに結合する。しかしこの結合は弱く、インスリンと自己抗体が解離して血漿中の遊離インスリン濃度が上昇すると低血糖を起こすと考えられている。しかし一方、食後に分泌されたインスリンが抗体に結合して直ちには働かないため、耐糖能異常をもきたす。

 

インスリンとソマトスタチンはそれぞれα細胞のインスリン受容体およびソマトスタチン受容体に結合しグルカゴン分泌を抑制する。DPP4阻害薬はGLP-1の分解を抑制することで、内因性GLP-1濃度を上昇させる。作用機序は不明だが、GLP-1はグルカゴン分泌を抑制する。SGLT2阻害薬はグルカゴン分泌を促進するが、その作用機序は不明である。

 

とにかくDPP4とGLP-1は関連がある

 

メタボリック症候群の肝臓所見

腹部超音波診断で肝実質エコーの上昇、CTでは肝実質CT値の低下所見が得られる

 

コリンエステラーゼが高値のため肝硬変とは考えにくく、血中IGF-1(ソマトメジンC)の低値は考えにくい。

インスリン様成長因子1IGF-1)は主に肝臓で成長ホルモン(GH)による刺激の結果分泌される。IGF-1はソマトメジンCとも呼ばれる。

 

甲状腺未分化癌の治療で手術療法は禁忌に近い

Plummer病

甲状腺ホルモン産生性良性機能性甲状腺腺腫

眼球突出ない

治療:外科的切除

 

甲状腺ホルモン投与の副作用として心機能が亢進し、心筋虚血が起こり得る。

無顆粒球症を起こしうるのはチアマゾール。つまり抗甲状腺薬であって橋本病治療とは関係ない。

 

戦後、日本人の生活様式の変化などと相俟って、乳癌の罹患数は未だに増加の一途をたどっている。近年ではそのlife time riskは12:1と推定されている。1996年には乳癌の罹患率は胃癌を抜いてトップになった。乳癌の増加の傾向は諸外国でも同様であるが、欧米先進国では1990年代を境にして、死亡率は減少に転じているが、わが国では未だ死亡率も増加の傾向にある。罹患数のピークが40歳代後半にあることが欧米諸国とは異なったわが国の特色である。2014年の統計では罹患数86,700人、死亡数は13,400人と推定されている。

 

可動性良好で境界明瞭で平滑で整な無エコー腫瘤ということから乳腺のう胞をまず考える。しかし、一部高エコー域を認めることから、のう胞内乳頭腫やのう胞内乳癌を細胞診により、確認する必要がある。のう胞性ではなく、充実性の腫瘤の時は針生検にて組織を採取することが大切である。

 

副甲状腺の局在は頚部から縦隔まで広く分布し、線の数も4腺とは限らない。Tc-MIBI検査は心筋障害の検査であるが、副甲状腺の局在診断にも 有用である。

 

甲状腺癌の一種である髄様癌が強く疑われる。 また、血中カテコルアミンの一部高値を認め、実母にも甲状腺疾患の既往があることから、髄様癌を一分症として発症する多発性内分泌症(MEN type II)の可能性が示唆される。このため副腎の精査が必須であり、腹部(両側副腎)超音波検査、腹部MRI、副腎シンチグラフィー検査などが次の画像検査として優先される。

 

2016② 57%

Friedewaldの式 (LDL-C = TC - HDL-C - TG/5) にて計算すると、135 mg/dLが正解である。

 

慢性腎不全はCa↓、P↑

腫瘍性低リン血症性骨軟化症はP低下と共にビタミンDの働きが阻害される。

 

原発性Akl症

スクリーニングには、アルドステロン濃度 / レニン活性の比が200以上であることが用いられる。

 

原発性アルドステロン症の所見

多尿(尿濃縮障害)、筋力低下、脱力発作、四肢麻痺、テタニー、ST低下、T波平坦化、U波出現→低K血症による症状

 

治療は褐色細胞腫が合併していた場合、術中高血圧を避けるため、副腎摘出術が最優先される。甲状腺については遺伝性の場合甲状腺全摘術+両側頸部リンパ節郭清術が推奨される。

 

ケトアシ:クスマウル(Kussumaul)大呼吸による呼吸性の代償が起こっていることが多く、重炭酸ナトリウムの補給はpH<7.2の重篤なアシドーシスで、かつインスリン療法と補液による改善が見込まれない時以外は行わない。しかもこれを急速に注入すれば呼吸抑制や脳浮腫がおこりやすいため、呼吸管理の準備を必要とする。

→つまり試験で答えになることはまずないであろう

 

乳癌罹患の危険因子としてエストロゲン暴露と遺伝子変異があげられる。 月経の開始が早く、閉経が遅い、長期にわたるホルモン補充療法、授乳期間が短い、出産経験が少ない、アルコール多飲はエストロゲン暴露と関連する。また、BRCA1・2の変異やp53変異を持つ場合、遺伝子の修復機能が不全となり、乳癌罹患の危険が高まる。

 

男性の体内で産生されたアンドロゲン(テストステロン)は肝臓で代謝され、エストロゲンとなり、さらに肝臓で代謝され血中から消失する。肝硬変により、肝機能が低下することで血中エストロゲンが相対的過多となると、乳腺組織が増殖し女性化乳房症となる。両側性、片側性どちらもありうる。 男性乳癌は全乳癌の1%を占め、好発年齢は50-60歳である。発見契機として腫瘤自覚が最も多い。

ss腎・泌尿器2015

腎・泌尿器

2015① 83

移植腎における急性拒絶反応が疑われた場合は、画像上腎動脈血栓症水腎症が否定されれば、治療方針決定のため積極的に腎生検を行う。(実質片腎状態みたいなものだけど、本当の片腎とは違って腎生検OK)

 

尿蛋白排出の程度は腎予後のみならず、心血管合併症の発症リスクとも関連するため重要である。血尿は関連しない。

 

慢性アルコール中毒では、腸管からの吸収低下により低リン血症を来たす。

 

PTH:血中Ca↑、血中P↓

活性化vitD3:血中Ca↑、血中P↑

カルシトニン:血中Ca↓、血中P↓

 

心拍出量の約20-25%の血液量が腎臓に供給され、濾過される。

 1 日に約150 L の原尿が生成される。

 

設問にある薬剤のうちインスリン、β刺激薬、テオフィリン、ループ利尿薬は型カリウム血症をきたす。その他、サイアザイト系降圧薬、プラチナ系抗腫瘍薬、トルエン、シンナー、アムホテリシンBも覚えておきたい。

 

 高血圧基準値は診察室血圧、家庭血圧で異なる。診察室血圧値は140/90mmHg以上、家庭血圧値は135/85mmHg以上である

 

溶連菌感染後糸球体腎炎の典型例。尿たんぱくが遷延する場合やネフローゼを呈するまれな症例ではステロイドを使用することがあるが、一般的に自然寛解することが多いので経過観察する。

 

IgA腎症の大部分が無症状、健康診断などでの顕微鏡的血尿や蛋白尿の指摘などでみつかる

→腎生検でメサンギウム増殖性変化

 

慢性腎不全の患者にビタミンD製剤が投与されたため、高カルシウム血症が起こり、腎障害が進行したと考えられる症例。

 

、高度腎機能障害を認めるが、腹部エコー上腎の委縮を認めない事から、急速進行性糸球体腎炎等が疑われる。

腎生検では半月体形成が認められ、免疫染色では免疫グロブリン、補体とも陰性であることから、抗好中球細胞質抗体陽性(ANCA関連腎炎)が強く疑われる。GBM抗体腎炎、SLE、クリオグロブリン腎症、溶連菌感染後糸球体腎炎においても、半月体は形成されるが、免疫グロブリンや補体は陽性となる。

 

封小線源永久挿入療法(ブラキセラピー)は、限局性前立腺癌を対象とし、低Gleasonスコア、低PSA値の低・中リスク癌がよい適応とされている。3次元原体照射法は外照射の照射方法である。密封小線源永久挿入療法の至適線量は144Gyが推奨されている。有害事象として、治療直後には頻尿や切迫感がほとんどの患者にみられるが、放射線性膀胱・直腸障害・勃起障害は少ない。

 

尿管は後腹膜腔に存在し、一般外力による損傷は受けにくい。多くは骨盤内手術や尿路内視鏡手術中に損傷することが多い。

最も重症な腎茎損傷では血尿を伴わない。

膀胱損傷は、挫傷程度なら、血尿と下腹部痛のみ、腹膜内に破裂すると、血尿と自尿の消失し腹膜刺激症状を伴う。尿道の振子部は、可動性が大きいので損傷は少ない。後部尿道(膜様部)損傷は骨盤骨折を伴っていることが多い。

 

無症候性血尿では膀胱鏡検査を優先して行うが、明らかな尿路感染を認める場合は抗菌薬を投与して消炎後、改善しなければ次の検査の予定をた立てる。したがって正解は抗菌薬の投与である。

 

LH-RHアゴニストはテストステロンを低下させる前立腺癌の治療薬である。副反応として勃起障害が挙げられる。

 

尿管結石の疝痛発作は尿管結石により尿管が急に閉塞し、急性水腎症となり結石上部が膨れあがることによる。大量の点滴で排石を計ろうとすると、水腎は増悪し、かえって疼痛はひどくなる。尿管結石周囲の尿管粘膜は浮腫を起こしており、このときの体外衝撃波結石破砕術は行わない。抗菌薬は細菌感染症ではないので無意味である。正しい治療法としては鎮痛坐薬を挿入し、疼痛部を温めて尿管を広げるとよい。抗コリン薬も尿管を広げるので有鈎である。コリン作動薬は尿管の蠕動を亢進させ、疼痛を増悪させる。

 

尿路結石全体の90%を占めるカルシウム結石(シュウ酸Ca、リン酸Ca)はいずれもX線にうつる。両者とも、サイアザイド系利尿薬などによる結石溶解療法の適応がある。

反対に、尿酸結石はX線にうつらず溶解はクエン酸製剤。

なお、CTではすべての結石を描出できる。      

 

腎細胞癌について

腎癌の手術では、尿管は可及的末梢(血管交差部あたり)で切断する。一方腎盂癌の手術では尿管膀胱移行部まで摘出する。

無症候性のことが多い。肉眼的血尿が見られるのは数%のみである。

腎癌取扱規約では、腫瘍径7cm以上であれば、腎に限局していてもⅡ期である。

明るい胞体、小型の核を有し、典型的な淡明細胞癌の所見である。腎細胞癌の70~80%は淡明細胞顔であり、淡明細胞癌は近位尿細管上皮由来で、約60%にVHL遺伝子の異常を認める。

根治的腎摘除術では腎周囲の脂肪組織を一塊にして摘出するが、リンパ節郭清は行わない。

 

2015② 76%

白血球上昇では偽性低カリウム血症を生じる????

 

高脂血症は偽性低Na血症を呈する。ネフローゼ症候群は有効循環血漿量低下により低Na血症となる。

 

RTAⅠ型では尿管結石が多くみられる。

II型(近位型)は高Cl血症を呈する。

 

原発性アルドステロン症は低K血症だが代謝性アルカローシスが見られ、PRAが抑制される。

フロセマイドは血圧正常、低K血症、代謝性アルカローシスを呈し、RAA系が亢進する。

 

糖尿病による腎障害によって二次性ネフローゼ症候群を呈し、腎機能低下が進行したと考えられる症例である。微量アルブミン期を経て、尿蛋白が顕性化すると腎機能低下は進行性となり、透析導入を免れることは難しくなる。高度蛋白尿を伴う糖尿病症例は心血管合併症のリスクが極めて高く、その予防としては血糖値の是正、降圧療法の強化が重要となる。

 

多発性嚢胞腎

肝臓や腎臓の腫大により消化管が外部より圧迫され上部消化管の通過障害がおこることで、しばしば逆流性食道炎の合併を認め食欲不振の原因となる。悪性腫瘍のスクリーニングを含めて上部消化管内視鏡検査を実施する。

栄養障害をきたす場合、腫大した腎臓および肝臓を縮小する目的で腎動脈および肝動脈塞栓術を検討する。

 

アミロイドーシスでは腎障害に加えて心不全や自律神経障害を認めることが多く、本症例では低血圧が認められ、ふらつき症状も認められことから、既にアミロイドの沈着が疑われる。

 

男性の尿路クラミジア感染検査は尿PCR方が最も優れている。

 

クッシング症候群では、健側の副腎機能が抑制される。

良性の副腎腫瘤から持続的にコルチゾールが分泌される疾患が注目されている。 ホルモン値は正常値に近いが、耐糖能異常、高血圧、脂質異常症、骨折などの原因になる。 「サブクリニカルクッシング症候群」と呼ばれ、看過できないという見方が強まっている。

 

精巣膿瘍

若年男性に好発し、無痛性陰嚢腫大を訴えることが多い。

リスクファクターは停留精巣

生検禁忌!!!!! 精巣膿瘍を疑ったら高位精巣摘除術で摘出して、組織学的な診断をつける。

95%が胚細胞腫瘍であり、胚細胞腫瘍のなかでさらにセミノーマ(精巣上皮腫)と非セミノーマに分かれる。→治療法が異なってくる

セミノーマ:AFP- 治療はケモラジ

非セミノーマ:一版にAFP+ 治療はケモ+後腹膜リンパ節廓清(転移があってもケモ著効するため予後は良い)

 

TURPとアルファーワンブロッカーはそれぞれ前立腺肥大症の標準的な手術療法と内服治療である。

夜間に1回トイレに起きるが通常2回未満は正常とみなされる。健康ではあるが79歳であることより肉体的負担の大きい前立腺全摘除術は通常適応されない。

LHRHアゴニストは安易に適応されることが多いが、この治療により男性ホルモンが低下し結果的に全身の筋力も低下するので登山を趣味としている本患者には適応しない。

ss腎・泌尿器2016

 

腎・泌尿器

2016① 70

椎骨を挟んで左に腹部大動脈、右に下大静脈がある

左腎静脈は腹部大動脈と上腸管膜動脈の間に挟まれる位置にある。このため左腎静脈は両血管に挟まれて血尿を来たす事がある(Nutcracker現象)。

上・中副腎動脈は直接大動脈に流入するが、下副腎動脈は左右の腎動脈に流入する。

右副腎静脈は下大静脈に直接注ぐ一方、左副腎静脈は左腎静脈に注ぐ。

 

eGFRは血清クレアチニン、年齢、性別をもとに計算される。畜尿などは不要であり、血液検査のみで簡便に腎機能の評価をする目的で考案された。

 

偽性副甲状腺機能低下症…PTHに対して骨・腎臓が反応しないため、副甲状腺機能低下症と同じく低Ca血症、高P血症が生じる病態である。PTHは二次性に上昇している。

病型分類にはEllsworth-Howard試験を行う。

 

慢性アルコール中毒では、腸管からの吸収低下により低リン血症を来たす。

骨軟化症ではビタミンD欠乏により低リン血症を呈する。

 

1日尿量で400ml以下が乏尿、100ml以下が無尿と定義される

腎後性急性腎不全では、病歴や身体所見に加えて、下部尿路の閉塞や水腎症の存在を超音波検査やCT検査などの画像所見から診断される。

 

腎機能検査

  1. 血漿流量の検査…パラアミノ馬尿酸クリアランス、PSP排泄試験(15分値)
  2. 糸球体ロ過量の検査…イヌリンクリアランス、クレアチニンリアランス
  3. 近位尿細管機能の検査…尿中β2-ミクログロブリン排泄量、尿中NAG排泄量、PSP排泄試験、炭酸水素ナトリウム排泄試験
  4. 遠位尿細管機能の検査…Fishberg濃縮試験、塩化アンモニウム負荷試験、バソプレシン試験

 

腎生検が禁忌となる病態…片腎、出血傾向、慢性腎不全、水腎症、尿路感染症、嚢胞腎、妊娠、呼吸障害、心不全、重症高血圧 など

 

尿崩症はADHの腎での作用不全による尿濃縮障害のため高Na血症の原因となる。

ネフローゼ症候群は有効循環血漿量低下により低Na血症となる。(つまり水は減るけどNaの減少のほうが程度が強い)

 

まず、高ナトリウム血症についてです。 身近な病態のように思えますが、実は臨床で出会う機会はそう多くないと思います。 これは、高ナトリウム血症引き起こす機序として 1. 口渇による飲水行動の障害 2. ADH作用低下 の両方がなければ、すぐさま細胞外液に自由水が入って来てしまうからです。

 

糸球体疾患に合併する疾患

膜性腎症…悪性腫瘍、HBVHCV、関節リウマチなど

膜性増殖性糸球体腎炎…HCV

巣状糸球体硬化症…HIV

 

糸球体性尿タンパクの主成分はアルブミンである。尿混濁は感染を疑う(膿尿、白血球混入)←タンパク尿を疑うのは別。

ミオグロビン尿では尿潜血反応と尿沈渣の乖離がみられる。

 

IgG4関連腎症は間質性腎炎を呈します。

 

尿が出ていない原因としては子宮全摘術後の癒着、癌の再発によるによる尿閉高カルシウム血症による脱水などを考えたい

 

沈査では白血球が認められることが多く、特に白血球円柱は白血球が腎から出ていることを示唆しているため診断上有用である。

 

腎機能低下に伴い、腎によるインスリン代謝が低下するため遷延性低血糖の危険性が増大する。つまりCKDの進行にあわせて糖尿病治療薬の用量調節には細心の注意を払う必要がある。重度の低血糖は迅速に治療しないと致命的となるため、直ちにブドウ糖液の静脈内投与を行う。

 

カリウム血症の治療にブドウ糖+インスリンの投与、重曹の投与、陽イオン交換樹脂の投与を行う。

 

高カルシウム血症の治療

  1. 生理食塩水の点滴投与(細胞外液を補充し、排泄を促す)
  2. フロセミド投与

など

※Bartter症候群はフロセミド投与時と同じ機序、すなわちCaを排泄できるので高Ca尿症となり腎石灰化や成長障害が起きる。サイアザイドはCaに関してはこの逆。

 

実質臓器の炎症、あるいは腫瘍の場合は発熱を伴うが、管腔臓器の炎症の場合は発熱は認めない場合が多い。

 

脊髄損傷、パーキンソン病、糖尿病では神経障害のため、神経因性膀胱となる可能性がある。また骨盤内手術による骨盤内神経の外的損傷に伴い、神経因性膀胱が発症する場合がある。前立腺肥大症術後は、尿道括約筋の損傷が一時的に起こるため、むしろ尿失禁が発症することがある。

 

原発巣としての腎臓を摘除し、遠隔転移も可能であれば手術で摘除することが、腎細胞癌の治療方針である。VHL病では血縁者の約40%で腎細胞癌を発症するといわれている。結節性硬化症に多く合併するのは腎血管筋脂肪腫である。造影CTで早期相で腫瘍が濃染されるのが腎細胞癌の特徴である。

 

排尿障害でまず行う検査として、非侵襲的で簡便である腹部超音波検査を行い、前立腺重量や残尿量などを確認する。

 

膀胱内視鏡検査で両側尿管口は同定できなかったため尿管ステント留置は困難である。よって腎瘻造設術を行うのが適切と考えられる。

 

2016② 66%

血清ナトリウム濃度は本来血漿浸透圧を反映しているはずである。(Posm=2XNa+BUN/2.8+血糖/18)。 血清ナトリウム濃度が血漿浸透圧を反映していない場合は先ず高血糖と高蛋白血症、高脂血症を考える。高血糖は血糖が高いために細胞外液の浸透圧が高くなり、細胞内液から水を引く。そのためナトリウムは水に薄められ低ナトリウム血症となる。

高蛋白血症、高脂血症は血清中の固形成分である蛋白や脂質量が増加すると水に溶けているナトリウム濃度が正常でも血清中のナトリウム濃度が低くでることがある(偽性低ナトリウム血症)。

←浸透圧はタンパクなどの水でない成分は省いて計算するが、Na濃度計算の際はタンパクなどの成分もまとめて「水」として計算されてしまうから。

 

IgA紫斑病は低補体血症を呈さない

 

輸血製剤中にクエン酸塩を含むので大量輸血では代謝性アルカローシスをきたす。

 

日本の透析患者は増加し続け、2014年12月31日現在320,448名。そのうちCAPD(腹膜透析)患者は9,255人であった。原疾患は糖尿病が第1位、慢性腎炎が2位である。日本の透析患者の平均生存期間は約6-7年である。透析患者は心血管系の合併症をおこしやすく、死因の上位を占める。

 

2012年のKDIGOガイドラインでAKIは血清クレアチニンが、1日に0.3mg/dl以上増加、または7日以内の前値の1.5倍以上に上昇、または尿量0.5ml/kg/hour未満が6時間以上持続のいずれかを満たす状態と定義されている。

AKIでは一般的にカロリー必要量は増加しており、不必要なカロリー制限は避けるべきである。 高カリウム血症やうっ血性心不全は緊急透析の適応で、迅速に対応する。

 

尿細管性アシドーシス遠位型では尿路結石が多く見られる。

Ⅰ型とⅡ型の鑑別

Ⅰ型は塩化アンモニウム(NH4Cl)負荷試験でも尿pHがあまり低下しない(酸排泄障害)

Ⅱ型は炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)負荷試験でもFEHCO3-があまり低下しない(塩基再吸収障害)

 

ネフローゼ=腎前性腎不全の状態(有効循環血漿量が少ないから)

 

腎硬化症は基本的に小葉間動脈などの動脈が主病変であって、糸球体ではない。

 

溶連菌感染後急性糸球体腎炎とIgA腎症はまったく別物!

 

ADAMTS13…フォンウィルブランド因子切断酵素。TTPではADAMTS13活性が著減し、血栓がつくられまくってしまう。

 

前立腺針生検は前立腺癌の組織学的診断を目的に前立腺組織のサンプルを採取する。経直腸超音波ガイド下に経直腸的あるいは経会陰的にバイオプシーガンを用いて生検するのが標準的な方法である。

 

Cushing症候群に有用なのはアドステロールシンチ

褐色細胞腫に有用なのはMIBGシンチグラフィである

クッシング症候群では術後のステロイド補充療法が必要である

 

前立腺炎

カテゴリーⅠ…急性細菌性前立腺炎 発熱+(発熱きたすのはⅠのみ) 大腸菌最多 前立腺マッサージ禁忌!!!! 治療:抗菌薬

カテゴリーⅡ…慢性細菌性前立腺炎 治療:抗菌薬

カテゴリーⅢ…慢性非細菌性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群) 最多 治療:α受容体拮抗薬など

カテゴリーⅣ…無症候性炎症性前立腺炎

 

ⅡⅢⅣでは前立腺マッサージで採取した前立腺液とその前後の検尿による尿中白血球と細菌検査は診断に有用である。しかし急性細菌性前立腺炎の場合、その他の臨床所見から診断がほぼ可能であること、前立腺マッサージにより細菌性炎症の憎悪を来たす可能性から禁忌とされている。

 

腹部単純エックス線では、結石像を認めないが腹部単純CTでは左腎結石、左尿管結石を認める。尿酸結石はX線陰性であり最も考えられる。

 

クラミジア尿道炎にはマクロライド系が有効である