小児科2015

小児科 2015① 65%

4種混合(DPT-IPV)は生後3カ月から

BCGは生後3カ月から6カ月未満

 

学校検尿は主にIgA腎症、膜性増殖性糸球体腎炎などの慢性糸球体腎炎の早期発見のために発案され、予後改善に貢献している。

先天性腎尿路奇形では蛋白尿が出現するが常に尿比重が低いため、現行の検尿システムでは偽陰性となり、発見することが難しい。

 

アナフィラキシーは即時型アレルギー反応の代表的な臨床型であるが、アスピリン不耐症、運動誘発アナフィラキシーのようにIgEが関与しない病型がある。

 

いわゆるアレルギー疾患の中で、アトピー性皮膚炎は即時型アレルギー反応の関与が最も少ない疾患である。

 

乳児の心雑音では、大動脈縮窄の鑑別を要する。⇄上下肢の血圧測定

 

インターフェロンγ遊離試験(IGRA)は結核菌特異抗原刺激によってエフェクターT細胞から遊離されるインターフェロンγを指標として、結核感染の診断に用いる検査法である。IGRA陽性の場合は、結核感染はほぼ間違いないと考えられるが、陰性であっても未感染と安易に判断はできない。特に乳幼児では感度が低いといわれている。結核の確定診断は、結核菌の検出(培養、PCRなど)である。

 

ダウン症候群に合併した一過性骨髄異常増殖症(TAM)

 👉増加している白血球でGATA1遺伝子の異常が見られる。

 TAMを認めた患者の約20%が1~3年後に急性巨核芽性  白血病に進展する。

 自然に白血球は低下することが多いため、経過観察だけで済むことが多い。抗がん剤(低容量Ara-C)による治療は、白血球増加に臓器障害(呼吸障害、肝線維化など)を伴う場合に適応となる。

 

全身性エリテマトーデス(SLE)では血清補体が低下するが、若年性特発性関節炎(JIA)では増加する。

CRPはSLEで陰性~弱陽性、JIAで陽性であるが、赤沈はいずれも亢進する。

 

巨舌、フロッピーインファント、心肥大があればポンぺ病乳児型を考慮する

 

第5指単一屈曲線はDown症候群で認める。

 

HOMA-IR (インスリン抵抗性)=空腹時インスリン値(μU/ml)×空腹時血糖値(mg/dl)÷405    ≧ 2.5の場合はインスリン抵抗性ありと判定する。

 

両側性網膜芽細胞腫では放射線被爆による二次がん発症を少しでも下げるために、CTは避けるべきである。MRIの方が望ましい。

 

早期未熟児貧血…Epo産生↓ 治療:輸血、Epo投与

晩期未熟児貧血…母体から移行する貯蔵鉄が少ないため起こる 治療:鉄剤投与

 

先天性QT延長症候群は孤発例、常染色体性優性遺伝で聾を伴わないRomano‐Ward症候群の他に、常染色体性劣性遺伝で先天的な聾を伴うJervell‐Lange‐Nielsen症候群があり、家族の心電図検査とともに、聴力障害の合併を鑑別する必要がある。

 

腹壁破裂である。出生後の手術としては、以前には一期的に閉鎖術が行われてきたが、最近ではSilo形成がおこなわれることが多い。Ladd手術は腸回転異常症の術式である。

 

Hirschsprung病が疑われ、確定診断のための検査が必要である。直腸粘膜生検・xs・内圧検査の3つは必須である。

 

小児科 2015② 75%

女児の二次性徴の出現順序は以下である。

乳房の発育 → 恥毛の発生 → 腋毛の発生 → 初経 → 骨端線の閉鎖

 

流行性耳下腺炎の出席(登園)停止期間は、耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまでである。

 

生後3ヶ月くらいまでの尿濃縮能は成人の約50%であり、2歳ごろまでに成人と同程度(1400mOsm/L)になる。

新生児の湿球対濾過量は成人の約1/5であり、2歳ごろまでに成人と同程度となる(100-120mL/分/1.73m2)。

 

新生児のナトリウム再吸収率は成人の約85-90%であり、生後2か月までに成人と同程度となる

酸排泄能は生後1-2ヶ月で成熟する。

 

SpO2が90%以下であることは、通常PaO2は60 mmHg以下であり緊急の対応を要する状態と言える。

 

ファロー四徴症無酸素発作の対応

まずだっこをし、体血圧を上昇させ、静脈還流量を増加させる。

→静脈還流増加後に酸素飽和度を確認し、酸素を投与する。

 

1人の発症者が周囲の免疫を持たない人に感染させる二次感染者の数(基本再生産数)は病原体の感染力を示す指標となる。各疾患の基本再生産数は、以下の通りである。

a.麻疹:16~21

b.風疹:7~9

c.ムンプス:11~14

d.水痘:8~10

e.インフルエンザ:2~3

 

新生児RDS

胸部エックス線写真では網状顆粒状陰影や気管支透亮像が見られる。

 

水痘の潜伏期間は、14~21日である

 

胆道閉鎖症は、東洋人に多く、年間約200人発症する。乳児肝炎との鑑別は難しい。直接ビリルビンが上昇し、生後90日以内、できれば60日以内に葛西手術がおこなわれることが望ましい。

 

鎖肛の診断は、生後少なくとも8時間以上たった時点で倒立写真撮影してタイプ別診断をおこなう。小児科

小児科2016

小児科 2016① 65%

 

1歳女児の平均身長は73.4cmである。標準偏差は2.5cmなので68.4cm(-2SD)
以下が異常である。

 

リンパ浮腫では間質液成分が流動性に乏しいため圧痕を残さない。

 

パラシュート反射、Landau反射:中脳・視床レベルの姿勢反射

 

トキソプラズマ…胎内感染

風疹ウイルス…胎内感染

CMV…胎内感染、母乳感染、産道感染

B型肝炎ウイルス…胎内感染、産道感染

HTLV-1…母乳感染

 

チアノーゼ性心疾患でもっとも頻度が高い疾患はファロー四徴である。
BASが必要な疾患は大血管転位である。

三尖弁閉鎖はFontan手術を行う代表的疾患である。

 

骨年齢は一般的に左手の手根骨レントゲンにて評価する。

小児の成長に必要なホルモンは成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンの3つである。
成長のスパート開始は男児では思春期開始後より、女児では思春期開始前より認められる。
男児、女児ともに成長のスパートやその後の骨成熟にはエストラジオール(E2)が大きく関与している。
女児において10歳6か月以前に初経が認められた場合は異常であり、思春期早発症を疑うが、それ以降の場合は正常である。

 

ダウン症候群:転座型では両親の染色体検査の適応になる。

 

Triplet repeat病

ハンチントン病、Kennedy-Alter-Sung病(球脊髄性筋委縮症)、脊髄小脳変性症のうちSCA(Machado-Joseph病などを含む)、筋強直性ジストロフィー、脆弱X症候群、Friedreich運動失調症 など

 

プリックテストに関する基本問題。
アレルギー疾患の診療においてアレルゲン検査の意義は高く、中でもプリックテストは施行も容易で安価なため広く用いられる。抗ヒスタミン薬は、体内半減時間が長く皮膚移行性の高い薬剤が主流となりつつあり、少なくとも24時間以上中止する必要がある。皮膚テストといえどもアナフィラキシーを惹起する場合があり採血以上に安全とはいえない。プリックテストは即時型アレルギーの診断に有用な検査であり、検査施行の15分後に紅斑や膨疹の大きさ(長径など)で判定する。

 

EBNAは潜伏感染したときに発現する蛋白です。EBNA抗体は初感染の回復期から陽性になり持続的に検出されます

EBウイルスの潜伏期は4〜6週間

 

結節性硬化症では横紋筋腫を認めることがあるので、心エコーは必須

 

先天性水腎症

男児の左側に好発

先天性水腎症の原因としては、狭窄症もしくは膀胱尿管逆流症などがあげられる。

MAG3シンチは腎動態シンチである。尿路系の閉塞の程度を評価するのに有用である。本症例はSFU分類Ⅲ度であり、狭窄症であった場合手術適応なることなることも多いため、狭窄の程度を評価することが重要である。

 

ナフィラキシーに対する治療として、可及的速やかに酸素投与、アドレナリン筋注を行う。その他、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、ステロイドが用いられる。急性期を過ぎたら診断を確定(皮膚プリック・スクラッチテストあるいは末梢血中抗原特異IgEの同定)し、適正な食事指導を行いフォローする。診断確定は負荷テストによるが、経過と検査値により診断されることも少なくない(つまり負荷テストは必須じゃない)。

 

ランゲルハンス組織球症

頭が凹んだり出っ張ったりして気付かれることが多い

主に小児に生じ、10歳以下に多い

頭部X線でぽこっと穴が開いたように映る

Birbeck顆粒+

 

わが国における先天性甲状腺機能低下症の発見頻度は出生3,000~4,000人に1人である。原因としては甲状腺の形成異常、中でも異所性甲状腺が最も多い。

甲状腺の位置異常や無・低形成を鑑別するために頸部超音波検査は必要である。

大腿骨遠位端骨核が無形成

 

十二指腸閉鎖症

注腸検査ではmicro colonが認められる他、他の部位の閉鎖の有無が確認できるので、必須の検査である。

 

胆道閉鎖症では直接ビリルビンが上昇し、肝炎との鑑別が困難である。手術は90日以内できれば60日以内に行わないと予後が悪いといわれている。悪性腫瘍は胆道拡張症での合併で注意する点である。

 

多量の下血をきたす疾患としてメッケル憩室がある。本疾患の診断にはアイソトープ検査99mTc-pertechnetate で、hot spot(異所性胃粘膜の迷入)を認める。病変部位は小腸なので、内視鏡による止血術は困難である。出血が激しいときには緊急手術も考えるが、バイタルサインが落ち着いていれば、待機的に手術を行う。手術は腹腔鏡下、または開腹により病変部を切除する。

 

小児科 2016② 64%

Beckwith-Wiedemann症候群…常染色体優性遺伝性の過成長症候群で、7~10歳頃まで過剰成長を示すが、成人身長は正常範囲内である。

 

小児では肉腫や胎児性腫瘍が多く、癌腫は少ない。

小児ガンは小児の病死原因の1位である。日本の新規発症は年間2000~2500人程度である。

 

先天性副腎皮質過形成症(CAH)の90%を占める21-水酸化酵素欠損症に関する問題である。

常染色体劣性遺伝疾患である。

臨床的に塩喪失型、単純男性型、遅発型の3つの病型がみられる。

21-水酸化酵素が欠損するため、血清17a-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)は高値を示す。新生児マススクリーニングでは濾紙血の17-OHPを測定している。

プレグナントリオールは17-OHPの尿中代謝産物であり、高値を示す。

本症はCYP21A2遺伝子の異常によって発症する。

 

心室中隔欠損

膜様部欠損は自然閉鎖することが多く、心不全を呈さなければ経過観察し、自然閉鎖するか、観察する。大動脈弁下部欠損は自然閉鎖が少なく、さらに大動脈弁閉鎖不全を発症した場合には、急速に心不全が増悪する。欠損孔が小さくとも手術となる。

 

gEに関する基本問題である。

IgEは1966年、石坂公成博士らにより同定された免疫グロブリンであり分子量は188 kDaである。健常人における血清中IgE濃度はng/mlのオーダーであり、胎盤は通過せず、補体結合能を有さない。IL-4およびIL-13の作用で活性化したB細胞が形質細胞化し、IgEを産生する。マスト細胞に結合したIgEに抗原が結合すると架橋してマスト細部が活性化し脱顆粒が生ずる。

 

慢性肉芽種は、高率に肺アスペルギルスによる感染を合併する

 

排尿時膀胱尿道造影は膀胱過敏性が消失して尿の無菌性が回復した時期に行われる。

 

 常染色体優性多発性嚢胞腎において、PKD1変異の方がPKD2変異に比べて発症が早い。

 

前弯負荷試験は、体位性蛋白尿の診断のための検査である

 

ガラクトース血症の原因として最も多いのは門脈題体循環シャントである。 門脈体循環シャントでのガラクトース血症の発症機序は、腸管から吸収されたガラクトースが、肝臓での代謝を経由せず、門脈血流から直接体循環に流入することによる。

 

毛細血管拡張性失調症 常劣

DNA修復に関係するATM遺伝子に異常を認める

小脳性運動失調、毛細血管拡張症

本疾患は悪性腫瘍の合併頻度が高く、CTなどの放射線被曝を伴う検査の実施には注意を要する。

AFPは増加する。

細胞性免疫↓、液性免疫(特にIgA↓)

 

軽症血友病で凝固因子製剤の補充歴がない場合でも、抜歯の前には凝固因子の補充が必要である。その際に、止血剤内服を薦めるのもよい。

 

新規発症食物アレルギーに関する問題。

アナフィラキシーショックに進行することを考慮し、仰臥位で下肢を挙上させる。

 

皮疹は赤色で平坦、孤立性で膿胞の形成もなく、臍周囲の発赤もない。いわゆる新生児中毒性紅斑(中毒疹)であり、生理的な現象のため経過観察のみでよい。

 

細菌性髄膜炎の場合、薬剤感受性が判明するまではその菌の耐性菌を考慮して薬剤を選択する。ペニシリン耐性の割合が高いため、第三セフェム薬+カルバペネムにて治療を開始する。 

肺炎球菌性髄膜炎の30%に難聴が起こるとされている。

侵襲性肺炎球菌感染症は2013年4月より5類全数把握疾患となり、7日以内に保健所に届け出が必要。

 

Hirschsprung病

pull through・Soave・Swenson・Duhamel法が根治手術の術式である。人工肛門造設をせずに一期的にpull throughを行なうことが最近では多い。

 

Sistrunk法は甲状舌管嚢胞の術式である。

 

超音波検査でpsudokidneyは腸重積症であり、粘血便も腸重積症でみられる。

 

先天性横隔膜ヘルニアの頻度は4,000人に1人程度であり、胎児診断されることがよくある。左側に多く、胸腔内へ腸管が脱出して、肺を圧排するため、肺の低形成があり、生命予後を左右する。合併奇形が多い。腹部の外観は、腸管が腹腔内にないため、胸腔よりも陥没している。

 

micro colonの所見である。これは小腸閉鎖症に特有の所見である。

産婦人科2015

産婦人科 2015① 77%

内腸骨動脈は側臍靱帯となる。

 

 血中hCGが1000-2000IU/lとなれば子宮内に胎嚢が確認できる。一般的に尿中hCGが25-50IU/lになれば妊娠反応が陽性となる。

 

子宮収縮抑制薬

塩酸リトドリン:β刺激薬

硫酸マグネシウム:カルシウム拮抗薬

 

本邦では、35歳以上の初産を高齢初産と定義しており、厳密には高齢妊娠という定義は存在しない。

本邦では年齢にかかわらず、出生前遺伝学的検査を積極的にすすめてはならない。

 

帝王切開術では隣接臓器である膀胱の損傷に注意を要する。
Erb麻痺は骨盤位牽出術や肩甲難産で、子宮穿孔は子宮内容除去術や人工妊娠中絶で起こりうる合併症である。

 

ヒトパピローマウイルス (HPV) が子宮頸部に持続感染すると、HPVの初期遺伝子であるE6はp53と結合、 E7はRbと結合し、それぞれの癌抑制遺伝子産物を不活性化する。
その結果、細胞周期やアポトーシス機構などが破綻し、遺伝子に変異を持つ細胞が無秩序に増殖して癌化へと誘導される。

 

一般不妊治療…タイミング指導、人工授精 など

高度生殖補助医療…体外受精胚移植、顕微授精 など

 

ホルモン補充療法の禁忌

・重度の活動性肝疾患

乳がんまたはその既往

・現在罹患している子宮体癌

・原因不明の不正性器出血

・妊娠が疑われる場合

・急性血栓性静脈炎または静脈血栓塞栓症とその既往

・冠動脈疾患、脳卒中の既往

 

子宮体癌の既往、子宮筋腫、コントロール不良な高血圧・糖尿病、肥満は慎重投与ないしは条件付きで投与が可能な症例です。

 

 

子宮体癌の診断

子宮鏡にて子宮内膜厚の測定はできない。筋層浸潤や頸部浸潤の評価は骨盤MRIが有用である。

 

麦角アルカロイドは子宮収縮剤であるが、児娩出後に弛緩出血の治療に用い、妊娠中は禁忌である。(収縮作用が強すぎるため)。分娩誘発にはオキシトシンを用いる。

 

子宮動脈塞栓術は、子宮破裂には用いることができない。

 

 胎児の肺胞は、特に肺の形成の未熟な妊娠24週以前に羊水過少となると肺の低形成をきたしやすい。

胎児尿が羊水の中心の成分となってくるのは、妊娠20週以降である。それまでは、胎芽・卵膜の滲出液が中心成分である。

羊水の形成は85%が胎児の尿であり、15%は肺の浸出液である。吸収は大部分嚥下によるものである。

 

頸管無力症

一般的には入院管理として、頚管縫縮術を行う。場合により子宮収縮抑制剤の投与とすることが多い。
出血や子宮収縮などを認めれば切迫流産と診断する

 

SCCは子宮頚部扁平上皮癌、LDHは未分化胚細胞腫、hCGは絨毛性疾患、AFPは胎児性癌、卵黄嚢腫瘍、胎芽性癌、未熟奇形腫などで高値を呈する。

 

加重型妊娠高血圧症候群:妊娠20週より以前から高血圧 and/or 蛋白尿が存在していて、妊娠20週から分娩後12週の間に「両方出現」もしくは「もとから両方あった高血圧と蛋白尿が増悪」したもの。

 

帝王切開瘢痕部の癒着胎盤が考えられるときは、血尿は穿通胎盤の可能性があるため、膀胱鏡は行う検査の1つである

 

 前置胎盤では婦人科的内診で出血を誘発するので内子宮口までの内診は行わない。

前置胎盤ではコントラクションストレステストは禁忌

 

産婦人科 2015② 80%

妊娠中の脳動脈瘤破裂は妊娠後期に多い

 

特発性血小板減少性紫斑病合併妊娠

第一選択は副腎皮質ステロイドだが、手術や分娩前にはIVIG

 

SRY遺伝子は精巣決定因子であり、Y染色体短腕35Kbに存在する。

胎児精巣は胎生7週ごろSRYの存在により、性腺原基から誘導される。

 

SF-1は性腺原基に作用する遺伝子で、欠失すると卵巣、精巣だけでなく副腎や下垂体ゴナドトロピンの欠損をおこす。

 

20週で前置胎盤でも、胎盤の位置が変わり常位になることも多い。

前置胎盤の約5%に癒着胎盤を認める。

 

内子宮口を覆う胎盤の辺縁から子宮口までの距離が2cm以上を全前置胎盤、2cm未満を部分前置胎盤、ほぼ0の状態を辺縁前置胎盤とよぶ。

 

子宮頸がん治療

単純子宮全摘…上皮内癌と1a1のみ

後半子宮全摘…1a2、1b、Ⅱa、Ⅱb

 

HPV16型, 18型, 31型, 33型, 35型, 45型, 51型, 52型, 56型, 58型は高リスク型HPVとされている。

 

子宮頸部腺癌…子宮頸がん全体の15%をしめる。

 子宮頚部腺癌ではHPV18型が多く検出される。

 

子宮脱に対する保存療法としてはペッサリ-療法があるが、長期間の挿入例では膣粘膜の潰瘍形成、肉芽形成に注意が必要である。IUDは子宮内避妊器具。

 

妊娠すると循環血流量は増えるが、血管が拡張するので血圧は下がる。

 

妊娠により非妊時に対し子宮の血流量はおよそ100倍になる。

 

ハイリスク型HPVに感染しても、ほとんどの場合2-3年で消失し、感染が持続することは稀である。

子宮頸癌の進行期にリンパ節転移の有無は関係しない。

 

フーナー検査は頸管粘液と精子の適合を調べる検査である。両側の卵管閉塞がある本症例では卵管を使用した妊娠方法であるタイミング療法や人工授精は適応とならないため、精子と頸管粘液の適合の如何にかかわらず体外受精が必要となる。

産婦人科2016

産婦人科 2016① 64%

 

尿管は子宮動脈と交差する。

 

妊娠糖尿病と産科DICは直接関連がない。

 

臍帯脱出は骨盤位牽出術で起こりうる合併症である。 子宮穿孔は子宮内容除去術や人工妊娠中絶の際に注意を要する合併症である。 帝王切開術では隣接臓器である膀胱の損傷に注意を要する。

 

Lynch syndromeはミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患であり、子宮内膜癌と大腸癌の生涯発症リスクは40-60%、卵巣癌は12%である。その他として家族性乳癌・卵巣癌症候群はBRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の生殖細胞系列の病的な変異が原因で乳癌や卵巣癌を高いリスクで発症する遺伝性腫瘍である。

 

羊水穿刺に伴う流・早産の率はおよそ0.3%と報告されている。

 

診断的羊水穿刺

妊娠前半(妊娠15~17週)…胎児の染色体異常や先天性代謝異常の診断

妊娠後半(妊娠22週以降)…子宮内感染や胎児の肺成熟度、胎児well-beingの評価

 

オキシトシン、メチルエルゴメトリンは子宮収縮剤

 

細菌性腟症は、自然早産の原因 円錐切除後妊娠は、自然早産の原因 日本の法律上、胎児異常で人工流産・人工早産を行ってはならない。しかし、他の理由をつけて、人工流産は行われているのが現状である。

 

先体反応により透明帯反応が起こり、精子が透明帯を通過できるようになる。よって先体反応が先である。

着床は発生6­~7日頃から始まり、発生12日頃に完了する。

 

子宮頸がん治療

・CIN3、ⅠA期:円錐切除術または単純子宮全摘術

・ⅠB、Ⅱ期:広汎子宮全摘術、同時化学放射線療法

・Ⅲ期、Ⅳ期:放射線療法、化学療法、同時化学放射線療法

※年齢・合併症などにより手術困難なⅠ、Ⅱ期の症例にも放射線療法がおこなわれることがある。

子宮筋腫核出術による子宮瘢痕破裂である。過強陣痛、母体脈拍数・呼吸数上昇、バンドル収縮輪の上昇などの子宮破裂徴候を認め、子宮破裂後に出血性ショックを呈している。

子宮破裂に対する止血目的として子宮動脈塞栓術は適切ではない。

 

バンドル収縮輪…子宮破裂が生じる直前にみられる特徴的所見

 

出生前染色体検査には、母体血清マーカーのような非確定的検査と、羊水検査のような確定的検査がある。

 

明細胞腺癌、漿液性腺癌、類内膜腺癌の治療

  1. 手術療法
  2. 述語化学療法:TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)

 

粘液性腺癌は、化学療法の奏効率が極めて低い

 

 

妊娠高血圧症候群

軽症:140~160/90~110mmHg

重症:160↑/- または -/110↑。重症の場合は降圧薬投与を開始する

 

卵巣過剰刺激症候群

治療:輸液、アルブミン投与、低容量ドパミン持続投与(ARF予防としての腎血流確保)

 

子宮体癌・子宮内膜増殖症…子宮内膜が肥厚する。MRI所見で子宮腺筋症との鑑別可能。

 

ショックバイタルを示す症例において末梢静脈を確保する際には、出来るだけ径の太い針を用いて静脈路を確保する。

 

産婦人科 2016② 70%

ヒトパピローマウイルス (HPV) が子宮頸部に持続感染するとHPVの初期遺伝子であるE6はp53と結合、E7はRbと結合し、それぞれの癌抑制遺伝子産物を不活性化する。 その結果、細胞周期やアポトーシス機構などが破綻し、遺伝子に変異を持つ細胞が無秩序に増殖して癌化へと誘導される。HPV 6型は尖圭コンジローマとなる低リスク型のウイルスである。

 

早産既往は自然早産の最も大きなリスク因子である。また双胎も多くが自然早産となる。

 

流産

約15%に自然流産が起こる

自然流産の約50-70%は染色体異常が原因である。

習慣流産カップルのどちらかが染色体異常をもつのは数%である。

 

全胞状奇胎…核のない卵子精子が1匹(この場合は二倍体化)または2匹受精して発生

部分胞状奇胎…健常卵子に2つの精子が受精して発生→トリソミー

 

絨毛癌の治療:多剤併用化学療法 初回はEMA-CO療法

 

尿管は腹腔外(後腹膜腔内)を走行する

 

PCOSの糖尿病合併例などではメトホルミンを併用する

早剥…DIC合併するためフィブリノゲン低下する

 

HELLP症候群、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全は妊娠高血圧症候群に合併しやすい病態である。子宮頸管無力症や絨毛膜羊膜炎は合併しやすいとはいえない。

 

HPVはパポバウイルス科のDNAウイルスである

 

BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)…悪性胚細胞腫瘍に対する治療

シスプラチン…子宮頸癌に対し、放射線療法と同時に用いられる。(Ⅲ、Ⅳ期)

 

子宮内膜増殖症治療

経過観察(80%は自然退縮する)→経過観察にて病変が消退しない場合は、MPA(塩酸メトロキシプロゲステロン)を周期的に投与

 

子宮内膜異型増殖症治療

単純子宮全摘+両側付属器切除

挙児希望がある場合は、内膜全面掻爬+高容量MPA

 

前置胎盤

前2回帝王切開でかつ、前壁付着の前置胎盤の場合、膀胱への穿通胎盤の可能性もあるため、膀胱鏡検査も考慮される。

 

血清CA125 値は、婦人科疾患においては漿液性腺癌を始めとした上皮性卵巣癌や子宮内膜症で上昇をきたす場合がある。

 

 

塩酸リトドリンの副作用:横紋筋融解症

 

ショック状態にある患者を初期蘇生行わずしてCT室に連れて行ってはならない。CTは「死のトンネル」である

 

出血性ショックをきたす子宮筋腫の治療

月経が保たれており、挙児希望が無いことから一般的には卵巣は摘出せず、単純子宮全摘術を選択すべきであると考えられる。卵管は、卵巣癌の発生母地となりうることが知られているので切除術を追加する。

循環器

2016① 62%

房室伝導を促進する薬剤…エピネフリン、硫酸アトロピン、イソプロテレノール

 

心房細動の進行度によってはカテーテルアブレーションによる根治も可能となってきている。

 

アセチルコリンを冠動脈に投与すると

正常な冠動脈は拡張し、

病変部だけが選択的に攣縮(スパズム)するぞ!

 

アセチルコリンの効果は

非常に短時間で回復が早いのが特徴だ。

 

冠血流予備能の検査でアデノシンを付加するのは何故か

 

アデノシンは血管平滑筋を弛緩させることにより、細動脈の拡張を拡張させる働きがある。アデノシンを投与することにより3倍以上の冠血流量の増加が期待される。

冠動脈に狭窄があると、狭窄部位より末梢の血管では何とか血流を保とうと常に最大限の拡張をして血流低下を防いでいる。よって狭窄している冠動脈にアデノシンを付加しても血管の拡張はみられない。一方で、狭窄していない正常な方では血管が拡張して血流も増大する。アデノシン負荷心筋血流SPECTでは健常部と狭窄部の血流差を可視化することで冠動脈狭窄を非侵襲的に診断することができる。

 

心房粗動のレートコントロールにはβ遮断薬またはCa拮抗薬を使用する。
WPW症候群の頻拍に対してベラパミルの使用は禁忌である。

↑理由:WPW症候群の患者が心房細動を起こすと、心室頻拍や心室細動を起こして突然死してしまうリスクがある。健常人では心房の心拍数が過剰に早くなったとしても、房室結節では房室ブロックがおこり、心室にその過剰な心拍が伝わらないように調節してくれている。

ところが、WPW症候群では前述の通り、kent束経由の伝導が過剰な心房興奮をそのまま心室に伝えてしまい、致死的な心室細動を引き起こしてしまう。房室結節伝導とkent束の両方の経路から心室に興奮が伝わればまだよいが、ジゴキシンやベラパミルを投与すると、房室伝導のみを抑制して、多くの心室興奮がkent束に依存するという状態になってしまう。

 

また、褐色細胞腫は、副腎髄質以外にも後腹膜腔の交感神経節(クローム親和性細胞)などにも発生しうる。

 

心カテ検査:dip and plateauは、収縮性心膜炎に特徴的な右室圧曲線である。

 

心房中隔欠損症は、左右短絡疾患であるがIEを併発することは少ない。血液培養はIEの診断に必須であるが、静脈動脈血での検出率には差はないとされている。弁膜症の重症度とIEの発生頻度には関連性は認められない。

 

VSDに対する酸素投与は肺血管抵抗を低下させることにより左右短絡量を増悪させるので禁忌である。

 

eBakey分類、Stanford分類は大動脈解離の分類である。また、Crawford分類は胸腹部大動脈瘤の拡がりの分類である。Rutherford分類およびFontaine分類は閉塞性動脈硬化症の分類である。

 

抗凝固療法は深部静脈血栓症(DVT)などで行うが下肢静脈瘤に対しては行わない。

 

循環器

2016② 74%

薬剤コーティングバルーンはステント内再狭窄病変が治療対象となる。

冠動脈ステント留置後には2剤の抗血小板療法を行う。

 

心拍数×収縮期血圧はdouble productと呼ばれ、心筋酸素消費量の指標となる。

 

ACE阻害薬及びアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、頻脈、狭心症を除きほぼ全ての病態で積極的適応となる。

サイアザイド系利尿薬は、心不全、腎不全、脳血管障害慢性期、高齢者で積極的適応となる。

 

収縮性心膜炎

dip and plateauパターン

・Kussmaul徴候(吸気時に増強する著名な頸静脈怒張)

・心膜ノック音(拡張早期過剰心音)

・心膜石灰化

 

急性心膜炎

・深吸気時に増悪する特有な前胸部痛

・心膜摩擦音

 

洞機能不全症候群の症状には、洞停止によるめまい感(前失神感)・失神、洞性徐脈による全身倦怠感・労作時息切れなどがある。

洞機能不全による前失神感と起立性低血圧は、注意深い病歴聴取で容易に鑑別可能である。

 

Austin-Flint雑音…ARで生じる、機能的MSによる雑音。

Graham-Steel雑音…MSで生じる、機能的PRによる雑音。

Carey-Coombs雑音…VSD, PDA, MRで生じる、機能的MSによる雑音。

 

Riveiro Carvallo徴候…TRにおいて、吸気時に収縮期逆流性雑音が増強する徴候。

 

血栓治療は血栓形成率の高い患者(CHADS2スコア2点以上)で必須であり、全員で必要な訳ではない。

 

AFがVFに移行することはほとんどない。

 

閉塞性肥大型心筋症では、僧帽弁前尖の収縮期前方運動(systolic anterior motion:SAM)を認め、流出路狭窄により頸動脈脈波は二峰性となる。

 

腎血管性高血圧は、動脈硬化の進行とともに高齢者での発症が増加しており、腎機能低下から透析治療を導入する症例も増えてきている。

 

感染性心内膜炎は、弁逆流の高速ジェットが弁や心腔内面に当たり組織が傷害を受けて、フィブリン等が沈着する。さらに、抜歯等による一過性菌血症によって、菌が着床・増殖して疣贅(vegetation)が形成される。そのため、弁膜症と先天性心疾患など基礎疾患がある場合に発症しやすい

自己弁心内膜炎の起炎菌は緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、人工弁心内膜炎の起炎菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が多い

 

オスラー(Osler)結節は指趾掌側の有痛性皮下結節である。指趾掌側の無痛性小赤色斑はJaneway発疹である。

 

機関車様雑音(locomotive murmur)の聴取は、心外膜炎に特徴的な所見である。

 

AR: 心エコーにて、僧帽弁のflutteringがみられる

 

IABPを控えるのは大動脈弁閉鎖不全症を認める場合である。

 

左室瘤は循環動態は落ち着いていることがほとんどで緊急手術の適応とならない。

不安定狭心症は、心筋梗塞のリスクが中〜高い場合、冠動脈造影で判断したのち緊急手術として経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)を行うこともある。

 

IABPの適応は

1、急性心筋梗塞後の心原性ショック

2、低心拍出量症候群

3、開胸術後の人工心肺からの離脱困難時

など

 

IABPの禁忌は

絶対的禁忌として大動脈便閉鎖不全症、解離性大動脈瘤

相対的禁忌として閉塞性動脈硬化症(←血管を損傷するから?)

がある。

ファロー四徴症:酸素発作では体血管抵抗を増加させて肺血流増加を図るため血管収縮剤を用いる。

 

感染性心内膜炎の合併症には、頭部MRAで脳動脈瘤の描出もある。

ss腫瘍・血液20152016

腫瘍・血液

2016① 57%

男性ホルモンは再生不良性貧血の治療に用いられるが女性ホルモンは使用されない。

 

息苦しさはモルヒネの副作用ではない。モルヒネはむしろ呼吸の苦しさを伝える受容体に働き、息苦しさを和らげることが裏付けられている。

 

BCR-ABL1融合遺伝子は、9番22番染色体転座[t(9;22)]により生じるフィラデルフィア染色体(Ph染色体)上に存在する。慢性骨髄性白血病やPh陽性リンパ性白血病の原因となる。

 

シスプラチンは投与量累積的に第8脳神経障害をきたすが、高音性の難聴が特徴的であり、電話など受話器での聴取が困難になる。

ビンクリスチンは末梢神経障害に注意を要する。位置覚、関節覚異常や老齢者では便秘に注意する。

リツキシマブの最も注意すべき副作用の一つにインフュージョンリアクションがある。即時型アレルギーのパターンであり、薬剤熱もある。顔面の発赤などを伴うときは喉頭浮腫を併発し、重篤化しやすいといわれている。このためステロイド、解熱薬などを前投薬とする。 イマチニブは造血器障害や消化器症状が主である。肺毒性はまれにある。 メトトレキサートは腎障害、皮膚粘膜障害に注意を要する

 

AMLの発症には、増殖シグナルに関わる遺伝子異常(classⅠ変異)と分化ブロックに関与する遺伝子異常(ClassⅡ変異)の関与が必要である。

 

Evans症候群=AIHA+ITP

 

AIHAでは溶血の結果、赤血球の逸脱酵素としてLDH1、LDH2が増加する。

 

ヘプシジンは20世紀の終わりに発見されたホルモンであり、肝臓で産生され、鉄の吸収を抑制する働きを持つ事が知られている。 ヘプシジンはフェロプルチンという物質と相互作用し、腸管における鉄吸収、マクロファージからの鉄の遊離を抑制する働きを持つ

血液中の鉄が多い時、あるいはIL6の働きによりヘプシジン合成は増えて血清鉄の上昇を抑えるはたらきがある。一方、血液中の鉄が少なかったり酸素欠乏の状況ではヘプシジンの合成は減少し、生体は鉄を吸収しようとする。

膵癌診療ガイドラインによれば、膵癌を疑った場合に初めにすべき検査としてCT(造影)やMRIを推奨しており、これらの検査で確信が得られないときは超音波内視鏡検査をおこなう。

 

2016② 50%

モルヒネとその主たる活性代謝産物であるM6Gは腎臓から排泄されるため、血液透析を受けているがん患者には使用しないことが多い

 

膵管内乳頭粘液性腫瘍は膵癌の前癌病変として慎重な経過観察が必要である。根治的外科的切除後の5年生存率が20-30%である。

 

甲状腺ホルモン自体にはエリスロポエチン様作用があるが、甲状腺機能亢進症に貧血を合併することがあり、脾機能亢進などが原因。

 

発作性夜間ヘモグロビン尿症はGPIアンカー型膜蛋白であるCD55/59の欠損により、補体による血管内溶血を来す後天性疾患であるが、造血幹細胞のクローン性疾患でもある。本症例は日本に多い骨髄不全型で、汎血球減少を伴う。

 

血栓性血小板減少性紫斑病

ADAMTS13の活性低下により、超高分子量vWFが出現して血小板血栓が多発する疾患。典型例では血小板減少、細小血管障害性溶血性貧血、動揺性の精神神経症状、腎機能障害、発熱の5徴がみられる。

↑症状的にHUSと類似している。

TTPの治療:血漿交換が第一選択 ステロイド療法を併用する場合が多い。※TTPに血小板輸血は禁忌

 

HER2過剰乳癌はトラスツズマブのみでは再発予防効果が不十分であり、通常化学療法も行う。

 

悪性リンパ腫の再発症例で、救援化学療法が有効であった場合、まず検討されるべき治療は自家末梢血幹細胞移植である。高齢(65歳以上)、または臓器機能障害から移植適応がなければ救援化学療法のみで治療を終了する場合もあるが、期待される予後は自家末梢血幹細胞移植に劣る。自家骨髄移植は、末梢血幹細胞が採取できないなど特殊な状況でなければ現在選択されることはない。同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植は、悪性リンパ腫の第二寛解期では通常選択されない。

 

胃癌病期Ⅲで術後半年なのでフッ化ピリミジン系抗がん薬S-1による術後再発予防治療を通常受けている(標準治療1年間)。

 

2015① 66%

主要4死因とは悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患の順である。

悪性新生物の人口10万対死亡率は、昭和56年以来1位である。

平成24年の女性悪性新生物死亡数1位は大腸癌である。2位は胃癌。

 

フェンタニルは強オピオイド鎮痛薬の中で唯一、脂溶性が高く、皮膚から容易に吸収される。その他の強オピオイド製剤は水溶性であり、皮膚から吸収されることは少ない。

 

鉄の上皮での吸収は金属イオントランスポーターDMT-1(divalent metal transpoter-1)によって行われる。

へプシジンはフェロポルチンを介して消化管からの鉄吸収を阻害する

 

本邦における先天性血栓形成素因としては、プロテインC、プロテインS、アンチトロンビンの欠損症・低下症が重要である。第ⅩⅢ因子欠損では遅発性の出血(後出血)、無フィブリノゲン血症やα2プラスミンインヒビタ欠損症では出血傾向が前面に出る。

α2プラスミンインヒビターやプラスミノーゲンアクチベーターインヒビターは、線溶阻害因子。

 

甲状腺機能亢進症も、低下症も続発性貧血の原因となることがよく知られている。 ACDの貧血の原因は鉄代謝の異常等によっておこるとされている。

 

類上皮細胞やLanghans型多核巨細胞ではときに、Schaumann体や星状体が出現する。乾酪壊死、膿瘍は伴わない。

 

肛門管癌はMMC(マイトマイシン)を含めた根治的化学放射線治療による根治性が認められる。

↑一方、直腸癌は放射線療法で根治することはできない。

 

CA19-9は、消化器癌の腫瘍マーカーであるが、特に膵臓癌や胆道癌で高い陽性率を示す。神経内分泌腫瘍のマーカーとしてはNSEやpro GRPが一般的である。

 

非ホジキンリンパ腫の国際予後指標

・年齢>60際

・病期≧Ⅲ期(Ann Arbor分類)

・Performance Status

LDH>正常上限

・節外病変>2個

 

MDS(骨髄異形成症候群)の国際予後スコアリングシステム

・染色体異常

・骨髄中の芽球の割合

・Hb

・Neutro

・Plt

 

小型球状赤血球が出現する疾患として、自己免疫性溶血性貧血は重要である。

小型球状赤血球が認められること、サイズが大きい網赤血球の増加により血液像は2相性を呈するのが特徴である。本症例でも網赤血球が著明に増加していることにより、MCVで評価すると大球性貧血となっている。その診断にはクームス試験が用いられる。

 

食道表在癌の内視鏡治療の絶対適応は粘膜上皮の癌、粘膜固有層まで浸潤した癌である。粘膜筋板~粘膜下層への浸潤が0.2 mm未満の癌に関しては諸検査でリンパ節転移を認めなければ内視鏡治療の相対適応となる。粘膜下層に0.2 mmを超えて浸潤した食道癌は約半数でリンパ節転移があり、通常内視鏡治療の適応とはならない。

 

骨髄異形成症候群(MDS)の治療

  1. 低リスク臨床症状なし…経過観察
  2. 低リスク臨床症状あり…シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、サイトカイン療法、レナリドミ
  3. 高リスク同種移植困難例…脱メチル化薬(アザシチジン)
  4. 高リスク同種移植可能例…同種造血幹細胞移植

 

急性白血病の診断は末梢血か骨髄で芽球が20%以上となるが、特定の遺伝子異常が存在するものについては20%未満でも診断が可能である。RUNX1-RUNX1T1 mRNAはこの代表的な遺伝子異常であり、本症例は急性骨髄性白血病と診断ができる。そこで、治療法としては多剤併用化学療法が選択される。

 

2015② 66%

悪性腫瘍における異形成は、一般的に前癌病変であり、予後予測とは関連しない。化生は腫瘍の発生母地として重要な病態であり、血管新生は腫瘍の増殖に伴ってみられるが、予後予測因子とはいえない。

 

低pH、低栄養、低温では放射線感受性が低下する。

低酸素細胞に酸素細胞と同じ効果を与えるためには通常2~3倍の線量が必要となるため、低酸素細胞は放射線抵抗性である

 

濾胞性リンパ腫

増殖速度の緩やかな、低悪性度リンパ腫である。 無痛性リンパ節腫脹が特徴的であり、B症状はまれ。

多くの症例で、t(14;18)(q32;q21)が認められる(bcl-2の過剰発現)。 経過中に組織転換することがあり、その場合治療抵抗性であることが多い。

鉄欠乏性貧血の治療法としては、フェリチンが正常化するまで鉄剤を投与する。  鉄剤を内服すると、吸収されなかった分の鉄が排泄され、便は黒色となる。 鉄の一日必要量は成人男子は10㎎/日、成人女子は12~15㎎/日なので、10~15㎎/日が妥当。

 

真性多血症と相対多血症のちがいは、エリスロポエチン値。Epo↓なのにRBCふえてたら真性、Epo↑だったら必要にかられてRBC産生しているだけなので相対。

 

免疫抑制療法が効果なかった場合、造血幹細胞移植が考慮されるが、4人兄妹であるのでまず血縁者間の移植が選択され、兄妹のHLA検査を行うこととなる。

 

多発性骨髄腫の治療

65歳以上または移植適応のないものには化学療法、65歳以下で移植適応のあるものには導入化学療法に続き移植療法(自家移植)を行う。

ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害薬)が第一選択薬として用いられている。

 

NAPスコア↓:CML、PNH

NAPスコア:急性転化、骨髄線維症、真性多血症

 

GVHD(急性移植片対宿主病)の治療は免疫抑制剤の投与であり、グレードⅡ以上のAGVHDに対して副腎皮質ステロイド剤の投与が行われる。また下部消化管GVHDの場合、下痢のため脱水になりやすく、十分な輸液を行い、脱水にならないように注意しなければならない

 

ss免疫・膠原病20152016

免疫・膠原病

2016① 70%

全身性エリテマトーデスの疾患活動性の指標となるのは抗dsDNA抗体と補体。

 

リウマチ性多発筋痛症の約3割に側頭動脈炎を合併することがある

 

強直性脊椎炎の合併症:腱付着部炎、虹彩毛様体炎、大動脈炎によるAR、房室ブロック

関節リウマチの合併症の一つに環軸椎亜脱臼がある

 

全身性強皮症では、消化管運動の低下、手指における皮下石灰化、間質性肺炎、肺高血圧症の所見が合併することがある。

 

呼吸により増強する前胸部痛があり、胸部単純X線写真で心胸郭比の拡大を認めることから、SLEに伴う心膜炎が疑われる。頻脈、血圧低値を認めることから、心嚢水貯留による心タンポナーデが疑われるため、心臓超音波検査による循環動態の評価をまず行う。

 

SLEの治療について

心外膜炎に対しては副腎皮質ステロイド薬を投与する。ステロイドのみでは難治性の場合には、免疫抑制薬を併用する。腎生検の結果、Class III、IV、Vのループス腎炎を認めた場合は、免疫抑制薬と副腎皮質ステロイド薬を併用する。また、食事療法も行う。難治性の浮腫、肺水腫を伴うネフローゼ症候群には短期的にアルブミン製剤を投与することもあるが、本症例はネフローゼ症候群ではない。発熱や関節痛、筋肉痛に対して、非ステロイド性抗炎症薬を使っても良い。

 

2016② 60%

膠原病で出現する疾患特異的自己抗体は抗核抗体に含まれるものが多い。それぞれの疾患特異的自己抗体が陽性であることは、多くの場合、診断基準に含まれる.しかし抗核抗体陽性であることが診断基準に含まれる疾患は全身性エリテマトーデスのみである。

 

ベーチェット病の主症状の皮膚症状として、①結節性紅斑様皮疹②皮下の血栓性静脈炎③毛嚢炎様皮疹がある。また、眼症状としては、①虹彩毛様体炎②網膜ブドウ膜炎があげられる。副症状の中には、①変形や硬直を伴わない関節炎②副睾丸炎③回盲部潰瘍で代表される消化器病変④血管病変⑤中等度以上の中枢神経病変を認める。

糸球体腎炎はベーチェット病の診断基準に含まれない。

 

抗SRP抗体は多発性筋炎(特に重症筋炎や治療抵抗性筋炎)で陽性

 

Behçet病

病が挙がる。本邦の診断基準の主項目にはなっていないが多発関節炎もBehçet病には高頻度にみられる。変形や硬直は伴わない。全身性の炎症反応を反映して、CRPや赤沈、さらには白血球も高値になることが多いが、通常リウマチ因子や抗核抗体は陰性である。

本疾患の血管炎は静脈炎が多いが、時に大型動脈の血管炎を起こすことも知られており動脈瘤を形成することもある。間質性肺炎や糸球体腎炎は通常起こさない。

 

SLEは汎血球減少するが、関節リウマチはむしろ白血球、血小板が上昇する。

ベイカー嚢腫は関節リウマチなどで見られる膝窩滑液包炎である。また、主にリウマチ関節炎の活動性が高い時期に皮下結節や肺結節を生じることがあり、これをリウマトイド結節という。リウマトイド疹は成人発症スティル病でみられるサーモンピンク色の皮疹のことで、関節リウマチで見られる所見ではない。

 

2015① 60%

リウマチ性多発筋痛症、強直性脊椎炎、ベーチェット病でリウマトイド因子が陽性になることは稀である。

シェーグレン症候群、関節リウマチではリウマトイド因子陽性となることがある。

関節リウマチの疾患活動の評価には腫脹関節数、圧痛関節数、患者による全般評価、医師による全般評価、CRP赤血球沈降速度(ESR)が用いられる。リウマトイド因子は疾患活動性の評価には用いられない。

 

逆流性食道炎は強皮症と関係がある。

 

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)は、50歳以上の高齢者に多く発症し、肩の痛み、体に近い側の肩や上腕、大腿などの四肢近位筋主体の痛みや朝のこわばりと、微熱、倦怠感を呈する炎症性疾患です。「リウマチ」という名前はついていますが、関節リウマチとは別の病気です。リウマトイド因子陰性、抗CCP抗体陰性、抗核抗体陰性。また、「筋痛症」とありますが、筋肉よりも肩関節の痛みが顕著にみられることが多いです。

リウマチ性多発筋痛症の5-30%に巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を、また逆に巨細胞性動脈炎の約半分にリウマチ性多発筋痛症を合併し、共通の病因が考えられています。リウマチ性多発筋痛症と巨細胞性動脈炎はともにHLA-DR4という遺伝子の或る特殊な型が関係していると言われています。

 

悪性関節リウマチ=RA関節症状+RA関節外症状(+血管炎症状)

・発熱、体重減少、間質性肺炎

・上強膜炎、紫斑、多発性単神経炎、皮膚潰瘍

 

ワイヤーループ病変とは、基底膜の内皮下に免疫複合体が沈着するために基底膜全体が均一に肥厚し、ワイヤー状にみえることをさしている。ループス腎炎に特徴的である。

 

2015②

ステロイド白内障の原因はあまりよくわかっていないがとにかくステロイドの長期投与としての白内障はある。

 

シェグレン症候群の治療は対症療法が中心であり、ステロイドは通常投与しない。(発熱、関節症状などの腺外症状にはステロイドを用いるが、そもそも腺外症状はよくある症状ではない。)

MMP-3:関節リウマチのマーカー。滑膜炎の滑膜細胞から生じる。

 

強皮症に合併する疾患として、間質性肺炎、強皮症腎クリーゼ、吸収不良症候群、肺高血圧症は有名であるss